貯蓄

トランプ関税で円安になる?それとも円高になる?

カナダやメキシコ、中国に対して、トランプ大統領は関税引き上げを検討しています。もしもトランプ大統領が関税を実施した場合、為替レートにどんな影響を与えるのでしょうか? 本記事では、筆者の考えをまとめていきます。

中原 良太

執筆者:中原 良太

エビデンスに基づく資産活用&マネープランガイド

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これから円安、円高、どちらに進む?

これから円安、円高、どちらに進む?

先日、読者様より以下の質問が届きました。

「トランプ関税で円安になる? それとも円高になる?」

カナダやメキシコ、中国に対して、トランプ大統領は関税引き上げを検討しています。もしもトランプ大統領が関税を実施した場合、為替レートにどんな影響を与えるのでしょうか? 本記事では、筆者の考えをまとめていきます。

トランプ関税で円安になる? それとも円高になる?

前置きとしてお伝えすべきことが2点あります。

第一に、筆者は為替の専門家でも実務家でもありません。為替が動く仕組みや経験則を多少、知ってはいますが、FXトレードなどは行いません。あらかじめご了承ください。

第二に、為替レートは「政治的憶測」や「人気投票」など、トランプ関税以外のさまざまな要因で動きくため、先を読むのは困難です。また、トランプ関税に関しても、憶測段階で「ああじゃないか」「こうじゃないか」と動くものなので、あらかじめご了承ください。

以上2点を前提とした上で、トランプ関税が為替にどのような影響を与えそうか、筆者の考えをまとめます。

まず、関税は「インフレにつながるから、金利が高止まりし、ドル高になる」(=つまり円安要因)という見方があります。

アメリカの金利政策は「雇用の最大化」と「物価の安定」が両輪にあります。

関税とは、とどのつまり「外国製品を輸入すると税金がかかる」ということです。税金を払うのは輸入する人で、米国内にいる人たちは、税金分が商品に上乗せされるため、安い輸入品にアクセスしづらくなります。

輸入品が高くなる……ということは、物価が上がる。物価が上がるということは、雇用が良好なうちは再び利上げに踏み切る可能性も出てくるため、「関税の可能性が高まる→金利上昇」という構図が浮かびます。

一方、関税は「物価上昇が景気を冷やしかねず、結局は利下げにつながるのではないか」という見方もあります。この見方については、筆者はやや懐疑的ではありますが、「対立意見もある」ということですね。

筆者はトランプ大統領は交渉材料として関税を持ち出していると思います。となれば、トランプ大統領が「関税を引き上げるぞ!」と言えば、相手国は「ならばこっちも報復関税だ!」と言い、お互いの国でインフレ→高金利となる可能性もあります。この場合、影響はトントンかもしれません。

もろもろ副次的なことまで考えるとわけがわからなくなりそうですが、「トランプ大統領が関税を引き上げてアメリカの物価が上がり、景気が崩れない」という前提であれば、これは円安の圧力になるだろう、と筆者は考えています。

とはいえ、円安が進み始めてから日本銀行も利上げに乗り出してもいます。トランプ関税と同時進行で日本国債の利回りも上がってくると、ドル円の動きは読めない気もします。

今のところ、政策金利だけを見れば「日本は緩和的、アメリカは引締的」に見えますから、当面は「円安が続くのではないか」とみています。

とりとめのない文章になりましたが、トランプ関税の行方は考えられるシナリオの幅が広いですし、元々ドル円は「読めない」ものなので、こういう書き方になってしまったことをご容赦いただけると幸いです。

筆者としては、トランプ関税がどう転ぼうと、円安になろうと、円高になろうと、どちらに転んでも「うまくいく」資産運用プランを考えていくつもりです。円安に備えた資産と、円高に備えた資産を、バランスよく持ちたいですね。
 
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