飲めないくせに忘年会で調子に乗る夫
飲めないならアルコール以外で付き合うのが今どきのありようではあるが、飲めないくせに調子にのって飲みまくる人もいる。「うちの夫がそうです。お酒には弱いのに、勧められるとついつい飲んで、ヘロヘロになってタクシーで帰宅。まだ電車があるんだから、電車で帰ってこいと言っても、なぜかタクシー。挙げ句、一緒にいる人たちを送って最後に自宅へ。タクシー代は誰からももらってないって。飲むとすぐ気が大きくなるのが悪い癖なんです」
ユリカさん(40歳)はため息をつく。毎年、この時期の夫の散財には困っているそうだ。少人数の忘年会と称した飲み会では、すぐ全部自分で払ってしまう。周りは喜んでまた誘ってくる。太っ腹を決め込んで、「あんまりおごられると気を遣う人もいるから」という理由で、参加者からは1000円を徴収して、残りは自分で払うらしい。
「バカですよね、給料安い上に、社会保険やら税金やらでもっていかれるのに。夫が酔っ払おうが翌日つらかろうが、それはどうでもいいけど(笑)、小遣いが足りないと手を出されるのが困る。今年は絶対に、お金は渡さないと言ってあります」
来年は下の子の小学校受験が控えている。上の子が失敗しただけに、今度はリベンジだとユリカさんは張り切っているが、夫はそれには大反対。小中学校は地元でいいと言う。
子どもの受験間近で、飲み歩く場合ではない
「子どもの受験に関しては、まったく意見が合わなくて。その話題が出ると冷戦状態になる。ただ、下の子には万全の準備をしてきているから、なんとか合格させたい。夫も私の気持ちがわかっているなら、この年末、飲み歩いている場合じゃないんですよ」お互いへのわだかまりがあるからこそ、ユリカさんは散財する夫に冷たく、夫はなおのこと鬱憤晴らしに飲み会を入れてしまうのかもしれない。
「受験については私は譲れない。夫は渋々ながらも参加せざるを得ないでしょう。だったら飲み会くらい大目に見てほしいと夫は思っているでしょうけど、お金を遣いすぎるのが許せない。私も仕事をしているけど、忘年会は最小限にとどめています。
子どもたちが小さいうちは仕方がないし、あまりお金も遣いたくないし。そう言うと『世の中、金で買えないものがある』と夫は言いますが、私はそんなことないのになあと思います」
なかなか意見の合致を見ることがないユリカさん夫婦だが、子どもの小学校受験は親の忘年会にまで影響を与えるようだ。