尽くしたい欲求が強い自分の“変わった”性癖
マコトさん(33歳)は、10代のころから「人に喜ばれるのが好き」で「ボランティア活動が好き」だった。尽くしたい欲求が強かったという。高校生のとき、彼女から目隠しされて手を縛られて、自分の性癖に気付いた。「大学に入ってから付き合った彼女は、そんな僕の性癖を受け入れてくれる人でした。性行為よりSM行為のほうが多かったと思う。ただ、彼女自身はそれを楽しんでいるわけではなく、してもいいという程度だったようです。卒業して別れてしまったんですが、僕の中では、そういったことを受け入れてもらえるのが普通だと思ったんですよ」
ところがそれ以降は、彼女ができても性癖は受け入れてもらえなかった。カミングアウトした翌日には連絡がとれなくなることも多々あった。
悩んで病院に相談したら「治す必要ある?」と
「普通にしたいだけなのに……と、言われたこともあります。ところが僕の方は、セックス時に立たなくなってしまった。普通じゃなければダメなんだと落ち込んで、メンタルクリニックに行ったことがあります。治したい、と。そうしたら医師が『それ、治す必要あるの?』と。性欲を抑える薬を飲んだら性格が変わっちゃうよとまで言われて、こうなったら合う相手を探すしかないと思いました」ネットの掲示板やチャットを使って、数年間で100人もの女性に会った。お互いの指向が分かっていながら会ったにもかかわらず、なかなかうまくはいかなかった。
100人の女性と会って結婚を決めたが……
「26歳くらいのときかな、ようやく出会えたんです。どの程度のハードさが好きかという点でも一致、1年半ほど付き合って結婚を決めました。親に会うという話になったところで、結婚資金を確認しようと銀行口座を見たらお金がない! 彼女が引き出していたんです」なんと彼女は、そのお金をホストに貢いでいたとか。そのまま逃げてしまった彼女を探し出し、裁判にまでなりかけたところで何とか解決した。
「解決した次の日には、街コンに行ってました。動かないと病むなと思ったので。出会いを増やせば、きっと自分の性癖を受け入れてくれる人が見つかると信じたんです」
彼のめげない姿勢が出会いを生む。
>カミングアウト後、半年かけて理解をしてもらった