商品の内容を十分に理解しないまま加入・購入してしまうと、全く活用していないにもかかわらず利用料を支払う羽目になることもあります。
今回は元携帯ショップスタッフでITライターの筆者が考える、「スマートフォン・携帯電話とあわせて購入した方がよいオプション」と「購入しなくてもよいオプション」をご紹介します。
購入した方がよいオプション
■端末の修理代金を安く抑えられる「保証サービス」加入した方がよいのは「保証サービス」です。未加入でも“自然故障”なら無料で修理してもらえることも多いのですが、
・落下させて画面が割れてしまった
・水に濡らして故障させてしまった
・落として失くした、盗難に遭った
といったトラブルは自然故障ではなく、数万円での有償修理(高いものでは15万円ほど)・もしくは修理不可と判断されます。修理不可となれば、新たに携帯電話を購入するしかありません。
昨今、携帯電話の端末価格は上昇傾向にあり、買い替えとなれば金額の負担はかなり大きくなってしまいます。その点、保証サービスに加入していれば数千円~1万円程度と安価で修理・交換を行うことができますから、トラブルに備えて加入しておくとよいでしょう。
なお、保証サービスには「端末購入時のみ申し込み可能」といった縛りが設けられています。加入する必要性を感じるなら、端末の購入時に申し込むのがおすすめです。
■充電器
購入した方がよい周辺機器は「充電器」です。スマートフォンや携帯電話を購入しても充電器は別売りになっている場合が多いですし、今まで使っていた充電器が新しい端末にも対応しているとは限らないからです。
ただ、対応している可能性もゼロではありません。従来の充電器を使い回したいという人は、それを持って店に行き、新しい端末で確認してから購入可否を決めてもよいと思います。
購入しなくてもよいオプション
■「動画見放題」「音楽聴き放題」などのエンターテインメントサービスこれらは店頭でおすすめされるサービス以外にも選択肢が多いため、加入を断ってもよいでしょう。新たに加入する場合でも、家族が利用しているサービスのファミリープランなどを利用すれば、グッと費用を抑えられる可能性もあります。すでに同様のサービスに加入していれば重複してしまうおそれもありますから、勧められるままに加入しない方がよいと思われます。
■「占いのサイト」や「健康記録のアプリ」などのコンテンツサービス
これらも似たようなコンテンツが数多く存在しますし、なかには無料で利用できるものもあります。スマートフォンや携帯電話とあわせて加入する必要はないでしょう。
■microSDカードやデータのバックアップ装置
microSDカードやバックアップ装置は、すでに使っているものを使い回せる場合があります。また、今までの端末から新しい端末へデータの移行も、ケーブル1本で行えるようになってきています。そのため、無理に購入する必要はありません。
■画面保護フィルムやスマートフォンケース
フィルムやケースなどは、家電量販店やスマートフォンアクセサリの専門店に行けば選択肢が多数存在します。無理にその場で購入する必要はありません。
「加入すれば端末代0円」「オプション購入で割引」は魅力的に聞こえるが……
世の中にはいまだに「オプションの加入や周辺機器の購入で端末代が無料になる」「購入代金を割り引く」などの案内をする店も存在します。魅力的な宣伝に聞こえますが、実は近隣の店よりもいくらか高い値付けをし、その差額分を割り引いているだけ、というケースも珍しくありません。もし「オプション加入で割引」「オプション加入が購入の条件」といった案内をされた場合は、一度別の店に行って値段を確認するのがおすすめです。すると、そのような条件が設定されていなかったり、よりよい価格で購入できたりする可能性もあります。
行きつけの店があるとしても、一度は別の店を訪れ、値段を比較してみるとよいでしょう。
オプションは無理に購入しなくてOK。自分に合った商品選びを
携帯電話会社が運営するオンラインショップでは「手数料なし」「オプションサービス加入の強制なし」などの言葉が並んでいます。もちろんそちらでスマートフォンや携帯電話を購入してもよいのですが、実店舗を利用するメリットというのもあります。例えばオプションサービスの重要性についてしっかり案内してもらえたり、使い方にあった料金プランを提案してもらえたりというのは、スタッフが直接サポートしてくれる実店舗ならではです。
ただ、どの店でもオプションサービスや周辺機器はおすすめしてきます。すべてを十分に理解するのは難しいでしょうし、勧誘を煩わしく感じてしまうかもしれません。そのようなときは「どのような場面で必要になるサービスなのか」をスタッフに質問し、自分には不要と感じれば、断ってしまって構いません。
加入・購入しなくてもよい商品を理解した上で必要なものだけを取り入れるようにすれば、スマートフォン・携帯電話の購入体験はより満足度の高いものになると思います。今回ご紹介した内容を参考に、自分に合ったオプション選びをしていただけたらうれしいです。
【この記事の筆者:迎 悟】
家電量販店やキャリアショップなど、多数のチャネルで携帯電話販売の最前線に10年近く従事。その経験をもとに、現在はフリーランスライター・ブロガーとして活動している。携帯電話販売の現場インタビューや契約・使い方のハウツーを中心に、さまざまな媒体で執筆中。