亀山早苗の恋愛コラム

大谷翔平×真美子さんの報道に感じる違和感「一歩下がる」「奥ゆかしさ」は今も女性の美徳なのか?

三歩下がる、奥ゆかしい女性は、今の時代も「美徳」なのだろうか? 大活躍のメジャーリーガー大谷翔平選手とそのパートナー真美子さんに関する報道に感じる、従来型の女性像をたたえるかのような表現にモヤッとする。写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

亀山 早苗

執筆者:亀山 早苗

恋愛ガイド

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大谷翔平選手(右)と真美子さん(左)、愛犬デコピンと一緒に 写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

大谷翔平選手(右)と並んで歩く真美子さん(左)、愛犬デコピンと一緒に 写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

大リーグで実力をいかんなく発揮し、人気も名誉もほしいままにしている大谷翔平選手。もちろんその裏には想像も絶する努力があったに違いない。ソフトな印象で茶目っ気も見せる彼だが、アスリートとして上り詰めたプロである。太く揺るがない軸が心にしっかと根付いているはずだ。

「奥ゆかしい」「一歩下がった」女性は美しい?

2024年は、そんな彼のパートナーである真美子さんもさまざまな場面で話題になっている。だが、日本で報道されるストーリーは「奥ゆかしい」「いつも一歩下がっている」「しゃしゃり出ない」という、従来型の女性の美徳ばかりだ。

実際、彼女は自らは脇役に徹すると決めているのかもしれないが、そこは元アスリート。自らの意志で決めた「自分の役割」を粛々と遂行しているとも受け取れる。それを、なぜか「三歩下がるのが日本女性のいいところ」という方向でしか報じられないことに、そしてそれに共感を寄せる声が多いことに、違和感とモヤモヤが止まらない。

世界的なプロアスリートとして彼が野球に徹することを一番近くで応援し支持することは、彼女の選択と意志だということを明確にすべきなのではないだろうか。そうでないと、彼らの関係は「自らの夢を諦めて夫に尽くすだけ」「夫を支えるのが妻の愛情」というどこかチープでウエットな、従来の夫唱婦随型に見えかねない。

ハグでなくグータッチで喜び合う姿も話題に

MVPを受賞した時の映像では、大谷選手が真美子さんと最後にグータッチを交わすシーンが流れた。「いや、そこはハグだろ」とツッコミを入れた人も多かったかもしれない。だが目と目を見交わし、グーを出した妻に、大谷選手は合わせるかのようにグーを出した。それが彼らのパートナーシップのトーンなのだろう。人前でどう振る舞うかについては感性が似ているのではないだろうか。

今の時代であっても、夫の関係者の前でどう振る舞うかについて、従来の女性に求められる役割の意識がしっかり残っている日本では難しい選択を迫られる。「キラキラ女子」は痛いと言われ、表舞台にまったく出てこなければ「関係が悪いのではないか」と憶測される。有名人の妻に限ったことではなく、「夫の一番身近な“関係者”」は立ち位置に苦慮するものなのだ。

>「夫を立てる」妻の役割を義実家に求められる女性も
 
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