「奥ゆかしい」「一歩下がった」女性は美しい?
2024年は、そんな彼のパートナーである真美子さんもさまざまな場面で話題になっている。だが、日本で報道されるストーリーは「奥ゆかしい」「いつも一歩下がっている」「しゃしゃり出ない」という、従来型の女性の美徳ばかりだ。実際、彼女は自らは脇役に徹すると決めているのかもしれないが、そこは元アスリート。自らの意志で決めた「自分の役割」を粛々と遂行しているとも受け取れる。それを、なぜか「三歩下がるのが日本女性のいいところ」という方向でしか報じられないことに、そしてそれに共感を寄せる声が多いことに、違和感とモヤモヤが止まらない。
世界的なプロアスリートとして彼が野球に徹することを一番近くで応援し支持することは、彼女の選択と意志だということを明確にすべきなのではないだろうか。そうでないと、彼らの関係は「自らの夢を諦めて夫に尽くすだけ」「夫を支えるのが妻の愛情」というどこかチープでウエットな、従来の夫唱婦随型に見えかねない。
ハグでなくグータッチで喜び合う姿も話題に
From one MVP to another.
— Los Angeles Dodgers (@Dodgers) November 22, 2024
Clayton Kershaw announces Shohei Ohtani as the 2024 NL MVP! pic.twitter.com/3TpN7Tczxv
今の時代であっても、夫の関係者の前でどう振る舞うかについて、従来の女性に求められる役割の意識がしっかり残っている日本では難しい選択を迫られる。「キラキラ女子」は痛いと言われ、表舞台にまったく出てこなければ「関係が悪いのではないか」と憶測される。有名人の妻に限ったことではなく、「夫の一番身近な“関係者”」は立ち位置に苦慮するものなのだ。
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