したがって、手持ちのiPhoneを売却する(あるいは下取りに出す)のは新しいiPhoneを安く買う上で有効な手段といえるでしょう。
初期化だけではない! iPhoneを売る前にやっておくべきこと
iPhoneを売却する前には初期化する必要がありますが、それだけでは消すことのできない情報もあります。情報が残っていると次の人が利用できなかったり、利用制限を受けてしまったりするため、買い取り価格が大幅に引き下げられてしまう場合があります。そのような事態を防ぐため、iPhoneを売却する前にやっておいたほうがよいことをまとめて確認しておきましょう。
<目次>
1. 新しいiPhoneを購入して情報を移す
まずiPhoneを売却する前に新しいiPhoneを購入し、そちらに情報を移して使用可能な状態にしておくことをおすすめします。クラウド上にバックアップを取っておき、先に売却してしまうことも可能ではありますが、手持ちのiPhoneがなくなってしまえば連絡も取れず、何かと不便です。アップルや携帯電話各社などの下取りプログラムでは、新しいiPhoneを購入してから古いiPhoneを下取りに出すまでに一定の猶予が設けられています。この間にクイックスタートを使うなどして、新しいiPhoneに情報を移しておくとよいでしょう。
2. iCloudからサインアウトする
一連の手順の中で最も重要、かつ見落としやすいのが「iCloudからのサインアウト」です。サインアウトしないと、端末を初期化しても「iPhoneを探す」が機能したままになってしまいます。次の利用者がiCloudにサインインできず大きな制約を受けてしまうため、初期化する前に必ずiCloudからサインアウトしておきましょう。1.
iPhoneの「設定」アプリを開き、最上部にあるユーザー名をタップします。
2.
次の画面に遷移したら画面下部の「サインアウト」をタップし、Apple ID(※)のパスワードを入力します。ここで「パスワードを忘れてしまった」となる人も多いので、パスワードの管理には日ごろから十分注意しておきましょう。 これでiCloudからのサインアウトは完了です。
※iOS 18以降、「Apple ID」は「Apple Account」に名称を変更しています。パスワードはこれまでと同じです
3. 初期化する
iCloudからサインアウトすれば、晴れて初期化しても問題ない状態となります。「設定」アプリの「一般」で、「転送またはiPhoneをリセット」→「すべてのコンテンツと設定を消去」を選択すればOKです。4. SIMを抜いて新しいiPhoneに移す
最後にSIMピンを使ってSIMを抜き、新しいiPhoneに差し替えれば、古いiPhoneを売却する準備は完了です。なかには「SIMピンをなくしてしまった」という人もいるかと思いますが、実はSIMピンの入手はそれほど難しくはありません。大手家電量販店やECサイトなどで数百円程度から購入できるので、別途用意しておくのも手です。
特別な手順を踏む必要がある場合の対応
上記で紹介した対応以外に、作業が必要になるケースもあります。・Apple Watchを使っている場合
もしApple Watchを使っているのであれば、一連の対応に入る前にApple Watchとのペアリングを解除しておいてください。
「Watch」アプリを呼び出して「すべてのWatch」をタップした後、Apple Watchの一覧から「i」マークをタップ。その後「Apple Watchとのペアリングを解除」を選択します。 ただし交通系ICカードを使用している場合は、ペアリングの解除前にそちらをWatchアプリから削除しておいてください。新しいiPhoneでペアリングした後にWatchアプリから再び追加すれば残高を反映できるので、削除しても問題ありません。
・SIMロック解除が必要なiPhoneを持っている場合
「iPhone 12」シリーズ以前のiPhoneを携帯電話会社から購入している場合、その携帯電話会社のSIMでしか通信ができない「SIMロック」がかかっていることがあります。
買取店舗によってはSIMロックを解除しないと減額、あるいは買い取ってもらえないケースがあることから、一連の手続きに入る前にSIMロックを解除しておくとよいでしょう。
解除方法は購入した携帯電話会社やブランドによって異なりますが、現在はWebサイトと各社ショップの店頭、どちらで手続きする場合であっても、手数料無料で対応してくれるようになっています。
ただ最近では、SIMロック解除していなくても買い取り価格が変わらないという買取業者も増えているようです。手続きが面倒だと思った場合は、事前に買取業者に確認してみるのもよいでしょう。
・eSIMを使っている場合
「iPhone XS」「iPhone XR」など2018年以降のiPhoneには、通常のSIMカードスロットに加えて「eSIM」が内蔵されています。それゆえ携帯電話回線をeSIMに登録している、あるいはSIMカードとは別の回線をeSIMに登録し、2つの回線を使っているという人も多いのではないでしょうか。
このような場合もやはり、一連の手続きの前にeSIMの回線を新しいiPhoneに移しておくことをおすすめします。iPhoneを販売している携帯4社のサービスの契約者であれば、新しいiPhoneにeSIMを簡単に移行できる「クイック転送」が利用できるのですが、MVNO(IIJmio、mineo、イオンモバイルなど)のサービスを利用している人は「プロファイル」と呼ばれるデータの再発行が必要です。
プロファイルの再発行手続きや、再発行されたプロファイルの登録の際にトラブルが生じやすくなっているため、eSIMの回線の移行は事前に終えておきましょう。
なお新しいiPhoneのeSIMに回線を移行した後、古いiPhone側に残っているeSIMのプロファイルは削除してしまって構いません。初期化の際にもeSIMのプロファイルを削除するかどうかを確認するメッセージが現れるので、そこで削除するかたちでも問題ないでしょう。