リバランスのタイミング、いつが良い?
「長期投資をするとき資産のリバランスのタイミング頻度は、どう考えるのが良いのでしょうか?」
資産運用のパフォーマンスの大部分は「資産配分で決まる」と言われています。ですから、その配分を定期的に調整すること(リバランス)は、資産運用の要(かなめ)と言っても良いでしょう。
とはいえ、リバランスに関する話って、あまり学ぶ機会がないんですよね。筆者も機関投資家出身というわけではないため、ファンドの中でどのようにリバランスをしているのか、実務を見たことがありません。
ですから、さまざまな論文を読みあさり、自分自身の経験も頼りながら模索しています。本記事では、筆者の投資経験から考えたベストなリバランス頻度についてお教えします。
インデックス投資の場合
まず、インデックス投資の場合について考えてみましょう。インデックス投資は、市場全体の成長に賭ける方法です。例えば、日経平均株価やS&P500など、たくさんの会社の株にまとめて投資することになります。
インデックス投資では、資産配分が急激に崩れることは少ないので、頻繁にリバランスする必要はありません。
度々リバランスをかけても運用成績が大きく変わるとは考えにくいですから、年に1回程度、全体のバランスを見直すくらいで良いと思います。
個別銘柄に投資している場合
次に、個別株投資の場合を見てみましょう。個別株投資では、特定の企業に投資するため、企業ごとの業績が大きく影響します。例えば、ある会社が大きな利益を出した場合、その株価は急に上がることがありますが、反対に業績が悪化すると株価は下がることもあります。
日本の上場企業の場合、決算は3カ月に1回あります。そのたびに「決算が思ったよりも悪かった」「思ったより良かった」という動きが出てくるはずです。
良い株は買って、悪い株は売って……とリバランスすべきタイミングです。毎日毎日株価をチェックする必要はありませんが、最低でも3カ月に1度はリバランスを検討するのが良いと思います。
持ち株のニュースを点検して、「このまま持っていても大丈夫か?」「もっと買うべきor売るべきか?」と考えたり、持っていない株にも視野を広げて「魅力的な投資先は他にないか?」と考えたりすると良いでしょう。
積極的に投資機会をつかみたい場合
最後に、もっと積極的に利益を狙いたいという方の場合、大きな値動きがあったときにリバランスするのも一つの手です。例えば、株式市場が暴落したときは、安くなった株を買うチャンスかもしれません。逆に、大きく上がったときには、高く売り抜けるチャンスという場合もあります。
一般論として、マーケットが乱高下するほど、安い株を買い、高い株を売るチャンスも増えます。積極的にお金を増やしたい方は、相場が荒れた時こそリバランスを検討したいところです。
まとめ
以上の通り、リバランスの頻度は「投資方法」や「どれだけリスクを取るか」によって変わります。インデックス投資では年に1回くらいで十分ですが、個別株の場合は最低でも3カ月ごとにチェックすると良いと思います。積極的に動きたい方は市場の変動に合わせてリバランスすることも考えられます。
ご質問者さまにも「自分の投資スタイル」があると思いますから、ご自身に合ったリバランスの頻度を考えてみてはいかがでしょうか。