亀山早苗の恋愛コラム

43歳シングルファーザーの大きな葛藤「恋愛したい」「だけど僕は男として生きてはいけない」(2ページ目)

学生時代から付き合っていた妻が結婚後7年目で病気で亡くなった。その後、付き合った女性もいたが、娘に拒否されて再婚はあきらめた。娘が最も大切ではあるのだが……40代のシングルファーザーは悩んでいる。

亀山 早苗

執筆者:亀山 早苗

恋愛ガイド

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妻と死別して7年、娘は中学2年生に

妻を亡くして数年。難しい年頃の娘が一番大事ではあるのだが

妻を亡くして数年。難しい年頃の娘が一番大事ではあるのだが

妻が亡くなって7年。娘は中学2年生だ。今ではたまに夕飯を作ってくれることもあるが、娘には「普通の」子ども時代を送らせてやりたいから、自分の生活を優先しなさいと伝えている。

「娘は大好きなバレーボールを頑張っているみたいです。僕は今でも妻が恋しい。正直言うと、女性の優しさに飢えているところもあります。いくら妻が恋しくても、もう彼女と触れ合うことはできない……」

2年ほど前、友人に誘われた食事会で、ある女性と出会った。彼女も離婚経験者だが子どもはいない。ぽつりぽつりと話すうち、少し心が柔らかくなった。その後、何度か彼女を食事に誘った。

「互いに心許す関係になり、肉体関係ももちました。焦らないけど、結婚を視野に入れて考えてほしいと言ったんです。すると彼女は、結婚するなら娘さんが成人してからのほうがいいんじゃないかと言い出して」

それとなく娘の気持ちを探った。娘に「好きな人はいないのか」と聞くと、すぐに察したのか「お父さんには好きな人ができたの?」と問い返された。

「いや……ともごもご言っていると、『私のお母さんは一人だけだから』と娘がプイと部屋を出て行った。難しい年頃ですしね、彼女が言うように、今は無理だろうと思うしかなかった。それを彼女に伝えると『やっぱり』って。『でも、ごめんね。私は再婚したいの』とフラれてしまいました。その後、彼女は同じようにバツイチだけど子どものいない人と再婚したそうです」

恋愛がしたい、だけど男として生きてはいけない

恋愛がしたい。いずれ結婚につながるような、心と心が行き交うようなしみじみと深い交流をもちたい。彼は心からそれを望んでいるのだが、そうするにはやはり娘の存在が大き過ぎた。娘の気持ちを無視してまで恋に突っ走ることはできない。亡き妻のためにも。

「きっとあと10年くらいたてば娘も分かってくれるんでしょうけど、僕はそれまで男として生きてはいけないんでしょうかね。娘のためにはそれが一番いいと思うけど、僕にも心が癒やされる存在が必要だし、大人の女性と大人の時間を過ごしたいと思うこともあるんです。

こういう率直なシングルファーザーの声って、なかなか聞くことができないから、みんなどうしているんだろうと思うことはありますね」

娘が最優先だと思いながらも、一人の人間として、男としての正直な欲望も隠せないケンジさん。大きな葛藤と迷いを抱えていることがひしひしと伝わってきた。
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