夫婦の会話は「業務連絡」のみ……関係を再構築する方法は?
<目次>
互いに「関係の修復を望んでいるのかどうか」は重要
まず、「どう関係を再構築するか」を考える前に、互いに「関係の修復を望んでいるのかどうか」が重要です。関係を改善するためには、互いの努力が必要。それがない場合は、互いのベストなタイミングで離婚してしまった方がいい場合もあるからです。「夫婦は、生涯添い遂げなくてはいけない」なんていうのは昔の話。今は、互いが自分らしく楽しく生きていくために、離れた方が幸せになることもあります。「自分は別れたくないけど、相手は別れたがっている」場合も同じ。最後に相手にできる愛情は、「相手を手放してあげること」かもしれません。
逆に、互いに「関係を修復したい」という思いがあるのであれば、少し照れるようなことであっても、いい関係にするために行動すべきいいことがあります。
関係修復案1:物理的に「2人の時間」を作る
夫婦で業務連絡以外の会話をするためには、物理的に「2人の時間」を作った方がいいもの。家で食事をする場合は、「テレビを見ながら食べているから、会話をしない」なんてことも多いので、2人で外食したり、旅行に行ったりする計画を立ててみるといいでしょう。誘いにくければ、「ペアの食事券をもらった」とうそを言ってもいいので、誘ってみるといいです。特に「相手の好物の食事」だと、誘いに乗りやすくなるでしょう。
外で食事をしたり、一緒に出歩く時間を持ったりすると、話をする必要が出てきます。そういう状況を意図的に作った方がいいでしょう。
関係修復案2:相手の言うことを「否定しない」で聞く
夫婦が業務連絡しかしなくなったのには、必ず理由があるはずです。少なくとも、相手と話していて「楽しい」という気持ちが湧かないから、会話をするのがだんだんおっくうになってしまったパターンは多いもの。関係の修復を目指しているのであれば、会話をするときは「相手の話すことを否定しないで聞く」ことは大切です。人は、自分の言うことに否定してくる人とは会話をしたくなくなります。嫌な思いをするし、「この人に言っても、どうせ分かってくれないだろう」と諦めてしまうからです。
また、「相手が話していて楽しくなる話題」を振ると、会話が弾みやすくなります。人は「好きなこと」を話していると楽しい気持ちになるので、何か趣味があるのであれば、そのことについて質問をすると、楽しそうに話してくれるかもしれません。
関係修復案3:「自分が話したいこと」ではなく「相手が楽しめること」を話す
自分が話すときは、「相手が興味のあること」を選んで話すことが大切です。人はつまらない話を聞かされると苦痛を感じます。身近な人とのコミュニケーションであっても、ある程度のサービス精神は大事。「自分が話したいこと」ではなく、「相手が楽しめること」を話題にした方がいいのです。「そんな話のネタは持っていない」という人もいることでしょう。そういう人が分かっていないことがあります。それは、「楽しい会話をするためには、ある程度、努力が必要」だということ。話題が豊富で話の面白い人は、何も努力もしないで人を魅了させているわけではありません。自ら知識や情報を得ていることも多いのです。
もし、「自分は人を楽しませる会話ができない」と思うのであれば、どうしたら人が興味を持つことが話せるのかをきちんと学んだ方がいいでしょう。それは、「人と楽しい時間を過ごす」ためにも、また「いい人間関係を築く」ためにも、大事なことなのです。
相手が興味を持つ会話をするためには、「相手のことをよく知る」ことが大切。そもそも夫婦なのに、相手のことをよく分かっていなければ、会話どころか、関係がうまくいくはずはないでしょう。
関係修復案4:日頃から「相手を喜ばせること」を心がける
「2人の時間」を作っても、関係が冷え切った夫婦が急に仲良く会話ができるかどうかというと、難しいこともあります。それは、「互いに“相手への愛”を感じられていない状態」だからです。そういう夫婦の場合は、ちょっと努力してでも、1日1回以上、「相手を喜ばせること」を心がけるといいでしょう。一緒に暮らしていれば、相手が好きなもの、喜ぶことは分かるはず。例えば、「相手のいいところをさりげなく褒めてあげる」「相手の好きな食べ物を出してあげる(外出したら、お土産に買って帰る)」「バスタオルやベッドカバーを肌触りのいいものに変えて、心地よい環境を提供する」などは、日常的にできることです。
特に、人は「自分のことを認めてくれる人(良き理解者でいてくれる人)のそばにいたい」ものなので、「相手のいいところをさりげなく褒めてあげる」のは重要。最初は「この服、似合うね」とか、美容院に行ったのであれば、「その髪形、似合うね」とかでもいいのです。そのちょっとした褒め言葉の積み重ねが、関係を修復させていきます。
「パートナーに関心を持つ」ことは重要
コミュニケーションがうまくいっていない夫婦は、基本的に相手に関心を持っていないケースが多いでしょう。もしパートナーに関心があれば、本来は「相手の話すこと」に対して、それなりに興味を持つものですしね。「関心を持たない」というのは、「相手を愛することを怠っている」とも言えます。なぜなら、「愛する」ことの反対は「憎むこと」ではなく「無関心」だからです。
互いに「相手に関心を持たない者同士」であれば会話が減り、業務連絡のみになるのは当然のこと。まずは、自分の方が相手に興味を持つようにすることが大切です。そうやって相手をよく知り、良き理解者になったときは、相手もあなたを大切に思い、理解しようと努めるかもしれません。
また、日頃から「おはよう」「おやすみ」というあいさつはもちろんのこと、「ありがとう」「ごめんなさい」という言葉すら言っていないような夫婦は、要注意。「言わなくても分かっているはず」ではなく、きちんと言葉にすることが大事。毎日の小さなコミュニケーションが、2人の関係を築いていくものです。
夫婦に限らず、多くの人間関係は、コミュニケーションを怠った時点からズレが生じます。会話をしなくなると、相手のことを誤解するようになるからです。「コミュニケーションが取れる環境と時間を物理的に作る」ところから始め、日常的な会話も増やし、少しずつ関係を修復させていきたいものですね。