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世田谷ボロ市は、アジアン雑貨の宝庫!

毎年1月と12月の4日間だけ行われる『世田谷ボロ市』。400年以上もの歴史あるマーケットですが、並んでいる商品は決してボロではありません。それどころかアジアン雑貨の宝庫!! イマドキのボロ市事情をご紹介します。

藤丸 由華

執筆者:藤丸 由華

東京ガイド

世田谷ボロ市は、地元の冬の風物詩

世田谷ボロ市
400年以上も庶民に愛され続けてきた『世田谷ボロ市』。平日であっても大混雑は当たり前です

東京・世田谷の冬の風物詩『世田谷ボロ市』。430年の歴史があり、安土・桃山時代にはじまった楽市がルーツ……と聞くと、年代モノがずらりとならぶ渋~い骨董市をイメージしてしまいませんか?  しかし、平成の世のボロ市。そこには思いもかけない光景が広がっていました! そんなイマドキの世田谷ボロ市事情をご案内しましょう。

庶民に愛され続けて400年

東急世田谷線
2両編成で世田谷の住宅街をのんびり行き来する東急世田谷線も、この4日間は大忙し!

織田信長が勢力を振るっていた天正時代の初期、1578年。当時城下町だった世田谷新宿で、税が免除され商売がしやすいマーケット『楽市』がスタートしました。時代とともに、城下町の賑わいは薄れましたが、農具や古着、正月用品など、周辺農民のニーズに応えるマーケットとして、『市』は根強く残り、400年以上経った21世紀の今も、世田谷ボロ市として人々に親しまれているのです。

ところでボロ市は毎年何曜日であっても、12月15日・16日、1月15日・16日に行われます。会場へは、世田谷の住宅街を走り抜けるこぢんまりとした2両編成の電車『東急世田谷線』に乗車しなくてはなりませんが、平日だろうが午前中であろうが、ボロ市開催の4日間、車内は超満員! 会場へ向かう電車内からして熱気で満ち溢れ、ワクワク感が高まります。

ちょっと周囲を見渡すと……「アレだよアレ」「ああ、アレね」と、阿吽(あうん)の呼吸ぴったりの熟年カップルがほとんど。この様子だと、やっぱりシニアが嬉しいお店が多いんだろうか……そんなコトが頭をよぎっているうちに、あっという間に電車は会場の最寄り駅『上町(かみまち)』駅に到着です。さぁホームに降りて、イザ会場へ! ……しかしそんな意気込みとはウラハラに、ホームから改札、横断歩道、会場へと続く道はすでに大混雑!! 人波みは会場まで延々と続いているのでした。

メインストリートは“王道”骨董市

杵と臼
ボロ市会場の撮影スポットといえば、珍しいものを売っているお店の前。コチラは杵と臼がゴロゴロと……
ボロ市の会場は、東急世田谷線『上町』駅と、『世田谷』駅のちょうど間の一帯。国指定重要文化財でもある『代官屋敷』前の通りがメインストリートとなっています。メインストリートに交差する細い道にもお店がたっていて、なんとその数700! これでも最盛期からは減ったというのですから……驚きです。

メインストリートにはボロ市らしい店、伊万里焼の専門店や、刀の鍔(つば)の店、おじいちゃん、おばあちゃんの家にあったなぁと懐かしい気持ちになる生活骨董のお店が並んでいます。中には「一体誰が買うの? 」と尋ねてみたくなるような、杵と臼の専門店も! あまりに壮観なので撮影スポットになっていました。

代官餅
ボロ市のアイドル・代官餅。できたてほやほやの餅からは湯気が……
またボロ市の名物グルメといえば、『代官餅』。つきたてのお餅があんこに浸かっているかのようなボリュームのある食べ物で、1時間待ちは当たり前というような長蛇の列がいつでもできています。味は、あんこ、きなこ、からみの3種類でそれぞれ600円。購入したばかりの代官餅を持ったマダムが得意げに、「これを食べないとボロ市は始まらないのよ! 」と言いながら、私の脇をすり抜けていきました。

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