うなぎ

不漁続きで「うなぎ」が高騰…それでもうな重を食べたいから、豆腐で「うなぎの蒲焼き」を作ってみた!

うなぎ不漁の年には、プラントベースのうなぎの蒲焼きが登場することも。今回は1000軒以上でうなぎを食してきた鰻専門ライターが、豆腐で「うなぎの蒲焼きもどき」を作ってみました。

山室 賢司

執筆者:山室 賢司

うなぎガイド

今年もうなぎが不漁で価格が高騰しているため、正直、気軽に「うな重」に手が出せなくなってしまいました。そこで、せめて雰囲気だけでもうなぎを感じたいということで、最近よく耳にする「プラントベースのうなぎ」を豆腐で作ってみることにしました。

「プラントベースのうなぎ」とは、どんなもの?

もともとプラントベースフードとは、植物性由来の原料を使用して、肉や魚などの動物性食品の代替となる食品のことです。
うな重が食べたい

近頃よく耳にする「プラントベースのうなぎ」。今回は豆腐で挑戦!

動物の不殺生の掟があった江戸時代には、庶民の間でも精進料理が広まり、大豆を「畑の肉」として使用していたようです。現代でも、見た目がうなぎの蒲焼きにそっくりの『とうふの蒲焼』など、プラントベースのうなぎをスーパーなどで見かけることがあります。
とうふの蒲焼

雅水産(静岡市)の『とうふの蒲焼』

豆腐で作る「うなぎの蒲焼きもどき」の材料(2人分)

・豆腐(もめん)400g
・大和芋(少々)
・片栗粉(少々)
・海苔(全形1枚)
・サラダ油(少々)
・市販の蒲焼きのタレ
・ご飯(220g)

豆腐で作る「プラントベースうなぎ」

豆腐で作る「うなぎの蒲焼きもどき」。果たして味は? 

手順1. 豆腐の水切り

まずは豆腐を水切りします。豆腐の水切りにはレンジで加熱する、重しをのせるなど、いろいろな方法がありますが、今回はさいの目より大きめの四角い形に切って、沸騰した湯で2~3分茹でました。
豆腐の水切りをします。

豆腐は沸騰した湯で2~3分茹でて水切りをする

手順2. 豆腐とほかの材料を混ぜる

水切りした豆腐とすりおろした大和芋(少々)、片栗粉(少々)をフリーザーバッグに入れて、よく混ぜ合わせます。水切り直後の豆腐は熱いので、ざるにあけてちょっと冷めてから混ぜるといいでしょう。
よく混ぜ合わせます。

水切りした豆腐と大和芋(少々)、片栗粉(少々)を混ぜ合わせる

食べたときに滑らかな食感になるように、豆腐をしっかりと潰して混ぜるのがコツです。豆腐はペースト状になるくらいまで潰した方が、大和芋ともよく混ざり合いトロッとした食感に仕上がります。
豆腐を潰すように混ぜ合わせます。

フリーザーバッグに入れてよく混ぜる。この時、豆腐をペースト状になるまでしっかり潰すように混ぜるのがコツ

手順3. 海苔を切る

「うなぎの皮」を表現するための海苔を準備します。四角い海苔はうなぎの腹側(頭に近い方)に、端を斜めにカットした海苔はうなぎの尻尾側に見立てています。
海苔を使って、鰻の皮を表現します。

四角い形の海苔(画像下)は腹側、端を斜めにカットした海苔(画像上)は尻尾側に見立てています

手順4. 豆腐をうなぎの形に整える

手順3で用意した海苔の上に、手順2で混ぜ合わせた豆腐ペーストをのせて、うなぎの形のように整えます。
鰻のような形にする。

海苔の上に、ペースト状にした豆腐をのせてうなぎっぽい形にする

手順5. 「豆腐のうなぎ」を焼く

サラダ油多めのフライパンで、豆腐側を下にして焼いていきます。実はこの豆腐をフライパンに移す作業が、料理初心者にとって一番の難関でした。
フライパンで焼きます。

豆腐側を下にして焼く。焼き始めは崩れたようになることも

うなぎの皮に見立てた海苔から、豆腐がかなりはみ出してしまいました。もう少し片栗粉の量を増やして、ペーストを硬めにした方が良かったかなとも思いましたが、焼いているうちにだんだんとまとまってきました。 

手順6. ご飯を盛り付ける

「豆腐のうなぎ」を焼いている間に、炊きたてのご飯を重箱の中で厚みが均一になるように盛り付けて、市販の蒲焼きのタレを軽くかけておきます。 

豆腐で作る「プラントベースうなぎ」

タレのかかりムラをなくすために、ご飯にも蒲焼きのタレをかけておく

盛り付けた時のビジュアルが断然おいしそうに見えるので、できれば重箱を使うことをおすすめします。 

手順7. 焼いた「豆腐のうなぎ」をご飯の上へ

豆腐が焼き上がったら、うなぎの皮に見立てた海苔側を下にしてご飯にのせます。日本料理のマナーにならい、右手側に尻尾の部分がくるようにして重箱の奥に、腹側(上身)は手前に盛り付けます。市販の蒲焼きのタレを豆腐の上から少量かけ、刻み海苔をのせて重箱の蓋を閉めたら完成です。

プラントベースうなぎ

重箱を開けた瞬間。見た目は「うな重」!

実食! はたして味は「うなぎの蒲焼き」か!?

ゆっくりと重箱の蓋を開けると、蒲焼きの香りが広がってきました。
うな重が食べたい

低カロリー、低コスト、超ヘルシーな「うなぎの蒲焼きもどき」

まずは、豆腐の蒲焼きを一口食べてみます。大和芋の効果で表面はサクサク、中身はトロトロとした食感で、豆腐を食べている感じはなくてとても滑らかな舌触りです! 蒲焼きのタレとの相性も良く、すぐにご飯をかきこみたくなります。うなぎの皮に見立てた海苔もパリッとした食感を残し、ほどよいアクセントになっています。

海苔の上で豆腐をうなぎの形にして、フライパンに移すところが難しいぐらいで、あとは料理初心者にも簡単にできましたので、プラントベースのうなぎに挑戦してみたい方は、ぜひ作ってみてください。

今回、豆腐で作った「うなぎの蒲焼きもどき」は、身の表面のサクサクした感じや滑らかでトロトロの食感が、うなぎの蒲焼きに近い感じはしました。しかし、上質の脂感や身の旨味、食べた時の感動は本物のうなぎならではのものだと、改めて思いました。

うなぎをもっと気軽に食べられるようにするためには、漁獲量減少への対策が必要でしょう。2024年6月にスタートした、「うなぎ食べ継ぐプロジェクト(うなつぐプロジェクト)」のような「鰻食文化」を継承していく取り組みを、今後も応援していきたいと思っています。

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