「プラントベースのうなぎ」とは、どんなもの?
もともとプラントベースフードとは、植物性由来の原料を使用して、肉や魚などの動物性食品の代替となる食品のことです。 動物の不殺生の掟があった江戸時代には、庶民の間でも精進料理が広まり、大豆を「畑の肉」として使用していたようです。現代でも、見た目がうなぎの蒲焼きにそっくりの『とうふの蒲焼』など、プラントベースのうなぎをスーパーなどで見かけることがあります。豆腐で作る「うなぎの蒲焼きもどき」の材料(2人分)
・豆腐(もめん)400g
・大和芋(少々)
・片栗粉(少々)
・海苔(全形1枚)
・サラダ油(少々)
・市販の蒲焼きのタレ
・ご飯(220g)
手順1. 豆腐の水切り
まずは豆腐を水切りします。豆腐の水切りにはレンジで加熱する、重しをのせるなど、いろいろな方法がありますが、今回はさいの目より大きめの四角い形に切って、沸騰した湯で2~3分茹でました。手順2. 豆腐とほかの材料を混ぜる
水切りした豆腐とすりおろした大和芋(少々)、片栗粉(少々)をフリーザーバッグに入れて、よく混ぜ合わせます。水切り直後の豆腐は熱いので、ざるにあけてちょっと冷めてから混ぜるといいでしょう。 食べたときに滑らかな食感になるように、豆腐をしっかりと潰して混ぜるのがコツです。豆腐はペースト状になるくらいまで潰した方が、大和芋ともよく混ざり合いトロッとした食感に仕上がります。手順3. 海苔を切る
「うなぎの皮」を表現するための海苔を準備します。四角い海苔はうなぎの腹側(頭に近い方)に、端を斜めにカットした海苔はうなぎの尻尾側に見立てています。手順4. 豆腐をうなぎの形に整える
手順3で用意した海苔の上に、手順2で混ぜ合わせた豆腐ペーストをのせて、うなぎの形のように整えます。手順5. 「豆腐のうなぎ」を焼く
サラダ油多めのフライパンで、豆腐側を下にして焼いていきます。実はこの豆腐をフライパンに移す作業が、料理初心者にとって一番の難関でした。 うなぎの皮に見立てた海苔から、豆腐がかなりはみ出してしまいました。もう少し片栗粉の量を増やして、ペーストを硬めにした方が良かったかなとも思いましたが、焼いているうちにだんだんとまとまってきました。手順6. ご飯を盛り付ける
「豆腐のうなぎ」を焼いている間に、炊きたてのご飯を重箱の中で厚みが均一になるように盛り付けて、市販の蒲焼きのタレを軽くかけておきます。
盛り付けた時のビジュアルが断然おいしそうに見えるので、できれば重箱を使うことをおすすめします。
手順7. 焼いた「豆腐のうなぎ」をご飯の上へ
豆腐が焼き上がったら、うなぎの皮に見立てた海苔側を下にしてご飯にのせます。日本料理のマナーにならい、右手側に尻尾の部分がくるようにして重箱の奥に、腹側(上身)は手前に盛り付けます。市販の蒲焼きのタレを豆腐の上から少量かけ、刻み海苔をのせて重箱の蓋を閉めたら完成です。
実食! はたして味は「うなぎの蒲焼き」か!?
ゆっくりと重箱の蓋を開けると、蒲焼きの香りが広がってきました。 まずは、豆腐の蒲焼きを一口食べてみます。大和芋の効果で表面はサクサク、中身はトロトロとした食感で、豆腐を食べている感じはなくてとても滑らかな舌触りです! 蒲焼きのタレとの相性も良く、すぐにご飯をかきこみたくなります。うなぎの皮に見立てた海苔もパリッとした食感を残し、ほどよいアクセントになっています。海苔の上で豆腐をうなぎの形にして、フライパンに移すところが難しいぐらいで、あとは料理初心者にも簡単にできましたので、プラントベースのうなぎに挑戦してみたい方は、ぜひ作ってみてください。
今回、豆腐で作った「うなぎの蒲焼きもどき」は、身の表面のサクサクした感じや滑らかでトロトロの食感が、うなぎの蒲焼きに近い感じはしました。しかし、上質の脂感や身の旨味、食べた時の感動は本物のうなぎならではのものだと、改めて思いました。
うなぎをもっと気軽に食べられるようにするためには、漁獲量減少への対策が必要でしょう。2024年6月にスタートした、「うなぎ食べ継ぐプロジェクト(うなつぐプロジェクト)」のような「鰻食文化」を継承していく取り組みを、今後も応援していきたいと思っています。
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