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2024年夏ボーナスはどのようになっているのでしょうか。日本経済新聞が7月18日に発表した調査より、平均支給額ランキングや業種別のボーナス事情、夏のボーナス支給増加率企業トップ10などをご紹介します。
2024年の夏ボーナスは前年比3.72%増、全業種の平均支給額97万2319円に。3年連続で過去最高
日本経済新聞社がまとめた2024年の夏のボーナス調査(7月2日時点、最終集計)の結果が、7月18日に発表されました。上場企業と日本経済新聞社が独自に選んだ有力な非上場企業を対象とし、422社の回答から、大企業の2024年夏のボーナス事情を見てみましょう。2024年夏のボーナス回答。全体の支給額平均は97万2319円で、2023年夏比3.72%増。調査対象の企業は、上場企業と日本経済新聞社が選んだ有力な非上場企業で、回答694社のうち集計可能な422社で算出(出典:日本経済新聞社ボーナス調査、2024年7月2日現在。加重平均、増減率は%)
「製造業」は前年比2.95%増で平均支給額95万円、「非製造業」は前年比5.55%増で平均支給額101万円
製造業は前年比2.95%増で95万5078円、非製造業は前年比5.55%増で101万4806円となりました。非製造業の伸びが大きく、平均支給額が100万円を超えました。今年の夏ボーナスは、非製造業の上げが全体の平均支給額を引き上げています。業種別支給額トップ3は「商社」「不動産・住宅」「情報・ソフト」すべて非製造業
業種別の支給額を見ると、支給額が一番高額なのが商社で305万6030円でした。300万円超えで他業種を圧倒しての1位です。平均年齢が37.1歳と、全体平均より低い年齢でのこの金額です。
2位は不動産・住宅で180万9824円で、前年夏比5.01%増です。3位は情報・ソフトで165万4687円で、前年比8.71%増です。4位の通信は156万8820円、5位のマスコミ・出版・広告は144万2318円です。ここまでが140万円以上ですが、すべてが非製造業の業種です。
6位から10位までは、医薬品、建設、窯業、機械、精密機械と製造業が並んでいます。いずれも100万円を超え、製造業の中では高額にはなっていますが、精密機械は前年比5.01%減と減らしています。
増加率トップは「その他輸送機器」
増加率が高いのは、その他輸送機器が15.70%増、繊維12.78%増。共に製造業で、そのほかにも、ゴムが11.38%増です。円安で原材料費が高騰する中、価格を上げることなどで収益を得られた会社が多かったようです。非製造の中で増加率のトップは鉄道・バスで12.72%増です。2023年度も26.81%増と急激に増加しました。アフターコロナで利用者が増えて大幅アップとなりました。また、レジャー10.96%増、外食・その他サービスが9.7%増、百貨店・スーパー8.82%増と、利用者が増えており人手不足の業種の伸びが際立ちます。
ボーナス支給額トップは「三菱商事」で641万円!
会社別での支給額を見ると、トップは三菱商事で641万8800円、前年比27.4%増でした。前年までのランキングではボーナスが公表されていませんでしたが、これまでも高支給額だったことが予想されます。2位はディスコで435万2985円。前年は377万3654円で1位でしたが、さらに15.35%も増えています。この会社はAI関連と認識されているようで株価が上がり、株価連動賞与制度によって支給額が増えたようです。
3位のショーボンドホールディングスは建設業。橋梁をはじめとする社会インフラの補修・補強を手がける企業で271万8156円。4位は商船三井で261万円、5位は積水ハウスで225万3700円と続いています。
東京自働機械製作所は従業員300名以下の中小企業ですが、189万385円と7位にランクインしています。中小企業も人材確保などを考えてボーナスアップを実施しているようです。
2024年の夏ボーナスは非製造業が好調で、3年連続の過去最高となりました。その要因は業績アップもありますが、人員不足によるボーナスの引上げもあるようです。このボーナス増加で家計消費が促され、景気が上がる好循環に転じてくれれば、さらに次のボーナスも期待できそうです。ただ、実質賃金は上がっていない現状では、ボーナスが消費に回るのはかなり不透明といえるでしょう。来年度もボーナスが上昇し、安心して消費に回せるようになってほしいものです。