子供の英語教育に力を入れる、お金持ちならではの理由とは?
お金持ちの子どものほとんどが、私立学校&英語教育を受ける
――富裕層が子どもの教育に力を入れるというのはよく聞きますが、具体的には、どのような教育を受けさせているのでしょうか? 何か傾向などはありますか?立川さん:まず、学校教育に関しては、私立学校が多いですね。100%ではないにしても感覚的に、90%程度は私立だと思います。
――すばり、私立学校を選ぶ理由は何だと思いますか?
立川さん:子どもの個性や才能を引き出す、それぞれの学校の教育方針に共感していることが一番の理由です。加えて、教育に対して積極的に投資できる家庭に育てられた同級生は、近しい価値観を持っていることも多く、周りにいれば安心ということでしょう。また、親自身も私立学校で教育を受け、周りの仲間に恵まれてきたという方も多いですね。身近に社長や富裕層の子どもがいるところで自分も磨かれてきたため、子どもも同じ環境に入れさせたいという話はよく聞きます。
――学校教育以外には、どのような教育を受けさせているのでしょうか?
立川さん:圧倒的に力を入れているのは英語教育で、やっていない人はほとんど見ません。さらに富裕層は、単に英語を学ばせるだけではなくて、年に何度も子どもを海外へ送り出しているというのが特徴的です。
子どものうちから英語ができないと困るワケ
――それは、最終的に子どもが海外留学することを念頭にしているのでしょうか?立川さん:そうですね。海外留学を前提に準備している富裕層は多いです。また、子どものうちから海外に行くのは英語教育という側面もありますが、海外に何回も足を運んで慣れさせるという感じですね。
彼らからすると、アメリカ留学をするなら大学からいきなり「初めてのアメリカ上陸です」ということはありません。幼少期から、7回、8回と足を運んで、海外の空港でも一人で歩けるくらいになってから留学するというイメージです。子どものうちから海外にあちこち行ってみて、どこに留学するのがいいか考えているという方もいらっしゃいますね。その他にも、海外の文化に触れることで、異なる価値観を受け入れることにも、慣れさせています。
それから、少し偏った例かもしれませんが、海外の不動産を買うときの契約書は英語で書かれているため、それが読めたほうがいいという人もいらっしゃいましたね。海外の投資商品を契約する場合、もちろん英語の分かる専門家が間に入りますが、富裕層は、誰かに丸投げすることはないため、内容を100%理解できなくても、ある程度は自分で目が通せるレベルになってほしい、だから英語を身につけさせるということでした。
立川 健悟さん
1980年生まれ。30歳のとき不動産テック企業に転職し、営業パーソンとしての実績が認められ主要株主の一人として執行役員に就任。その後、会社の株式上場に伴い、金融資産が3億円を超え、富裕層の仲間入りを果たす。多くの富裕層に接した経験をもとに「人生を豊かに生きる人を増やしたい」との想いから、ファイナンシャルプランナーに転身。著書に、『お金持ちは合理的』(すばる舎)、『お金が増えるのは、どっち?』(三笠書房)。
取材・文/七海 碧
不動産・金融に特化しているフリーライター。「本質を捉えて分かりやすく伝える」をモットーに、初心者でもすぐに理解できるシンプルな言葉で説明することが得意。ファイナンシャルプランナー、資産運用検定資格を保有。