しかし同時に、電気代の高騰も気になるところ。そこで今回は、家庭内で電気代が多くかかっている家電製品と、その節電方法について解説します。
ひと月あたり最大1000円の値上げも?
そもそも、なぜ電気代の高騰が話題となっているのでしょうか。日本は海外から化石燃料の大半を輸入しています。現在、これらの化石燃料はコロナショックからの経済活動の再開や、ウクライナ侵攻による社会情勢の不透明感などにより、世界的に高騰。さらには、円安も急速に進行しています。これらの要素が重なって、電気代、ガス代が高騰しているのです。
また、2023年より始まった政府による負担軽減策「電気・ガス価格激変緩和対策事業」は今年5月に終了。真夏の電気代負担を軽減するため、8月から10月までの政府による緊急支援こそ決まりましたが、7月、8月に支払う光熱費の負担はアップしていますし、その後も不透明なままです。
電気代の値上がり額は住んでいる地域の電力会社や料金プランによって変わりますが、一般的な家庭でひと月あたり400~1000円になるようです。光熱費のさらなる高騰を防ぐため、家電の使い方を見直してみましょう。
電気代が高い家電TOP3! 4割を占めたのは……
とはいえ、どうせ節電するなら、できるだけ的を絞って効果的に節電したいところ。電気代が高い家電は何なのでしょうか。経済産業省の資源エネルギー庁が毎年発行している「夏季の・省エネ節電メニュー」を見ると、夏場の19時頃の電気の使用割合で最も多いのは、エアコンの38.3%。追って照明器具の14.9%、冷蔵庫の12.0%が続きます。それぞれ、どのように節電すればいいのでしょうか。
●エアコン
夏場の電気代の約4割を占めるエアコンですが、熱中症リスクがあるため安易に停止するのはおすすめできません。設定温度を下げすぎず、サーキュレーターなどによる送風と組み合わせることで節電できます。
設定温度や風速を調整するのも手段のひとつ。三菱電機が今年6月24日に発表した「エアコンと冷蔵庫の節電OK&NG アクション」によると、エアコンは設定温度を1度上げるだけで約10%の節電になるそう。また、風速は「自動」にして、スイング運転で人にも風が当たるようにすることで、体感温度を下げながら省エネができます。
電源はこまめにオン・オフするのではなく短時間の外出ならつけっぱなしにするのもおすすめ。エアコンは室温を下げるときに電気代が多くかかるためです。また、室温の維持に関して意外と効果的なのが、2週間に1回のフィルター掃除。フィルターに付いたホコリを落とすだけでも空気の吸い込みが良くなり、冷房効率を高めることができるので、節電になります。
●照明
照明はできるだけ消費電力が低いLEDタイプに交換しましょう。特に天井のシーリングライトなどを交換するのがおすすめです。玄関やトイレなどの電球は人感センサー内蔵タイプにすると消し忘れによる無駄がなくせます。
●冷蔵庫
冷蔵庫は365日、24時間通電しているため、できることはそれほど多くありませんが、それでも使い方によって節電が可能です。例えば、冷蔵庫は7割ぐらいの収納にして冷気の循環を良くしておきましょう。吹出口の前に食品を置かないようにすると効率良く冷やせます。
ドアの開閉回数をできるだけ減らすのも効果的。また、食べ残しなどを収納するときは、きちんと冷ましてからにすることで冷蔵室の温度上昇が防げます。
手軽な節電は他の家電でも可能!
電気代が高い3つの家電の節電術を紹介してきましたが、もちろんそのほかの家電でも節電は可能です。上で紹介した3つの家電に次いで消費電力が高いのが、テレビやDVDなどのAV機器。特に大画面テレビは消費電力が大きいため、見ていないときなどはこまめに電源をオフにしましょう。
水回りの家電でも工夫が可能です。夏場ならトイレの温水洗浄便座の便座温め機能はオフに。また、温水の温度も低めに設定しましょう。洗濯乾燥機を使う場合は、タオルなどかさばる衣類は乾燥機を回さず、干して乾かすのもひとつの方法です。気温が高い夏場はできるだけ乾燥機能の使用を減らしてみてもいいのではないでしょうか。
料理でも節電はできます。例えば炊飯器ではごはんを長時間保温するより、冷凍して食べる量だけレンジで解凍する方がおトクです。また、煮込み料理やちょっとしたおかずの調理は電子レンジでも可能。ガスコンロやIHコンロを使うよりも節電になります。
特にガスコンロを使うと、室温も上昇してしまうため、冷房効率が低下します。例えばそうめんの場合、お湯を沸かしっぱなしにするのではなく、電気ケトルなどでお湯を沸かして鍋に移し、そうめんを入れて3分間フタをしておくだけでもゆでられます。この方法なら部屋も暑くならず、節電しながら調理できます。夏場の料理はできるだけ、節電ができる調理家電を活用しましょう。