お金を貯めるために必要なものとは
貯金を成功させる唯一の方法
貯金を成功させる唯一の方法は、「お金を使う誘惑に克つ」ことです。衝動買いや不必要な出費を避け、支出を「自律の力」でコントロールするしかありません。例えば、毎日のコーヒー代を節約する、外食を控えて自炊する、セールだからといって不必要なものを買わないなど、小さな自律を積み重ねることで、お金が貯まっていきます。
「自律」の力は鍛えられる
アメリカの学者であるM Muravenが1999年に発表したセルフコントロールについての論文によると、ありがたいことに、この「自律」の力は鍛えることができるようです。(M Muraven, R F Baumeister, D M Tice, 1999)これも筋トレと似ています。
筆者は大学生の頃にかなり貯金をしていたのですが、当時は「昼飯はカップ麺」「夜飯は牛丼」など、かなり無理をしながらお金を貯めていました。
当時、筆者は大学受験に失敗して打ちひしがれていました。そんな中、「大学受験には失敗したけれど、社会に出たときには、お金持ちになって成功してやる」と考えて、ロバート・キヨサキ著『金持ち父さん 貧乏父さん』を読み、株式投資を始めるためにお金を貯めていたのです。
いま思えば無茶な暮らしをしていましたが、このときのストイックな支出管理は、年を取った今でも残っています。はじめのうちはしんどかったですが、続けるうちに「お金を貯めることが当たり前」になり、慣れると余裕すら出てきました。
すると今度は貯金のペースを引き上げて「もっと貯めよう」と支出を切り詰め、さらにストイックになりました。
筋肉がない細腕だと腕立て伏せが10回でもしんどいですが、慣れてくると20回でも30回でもできるようになるのと一緒です。
逆に、筋肉が使わなければ衰えてしまうように、自律する力も鍛えなければ衰えてしまうでしょう。たとえば、あるていど貯金ができたところで「そろそろ支出を増やしてもいいかな」と気を抜くと、どんどん支出が増えて貯金できなくなる恐れがあります。
まとめ
お金持ちになることの是非はさておき、すくなくともお金持ちを目指すなら、「貯金」は基礎体力づくりみたいなものです。手を抜けば貯まるお金は減るし、複利で増やすこともできません。逆に、ストイックに貯める習慣が身につけば、そのうち「歯磨き」するのと同じくらい自然にお金を貯められるし、資産運用で増やすチャンスも増えるでしょう。
先にも述べたように、「自律」の力は鍛えることができます。貯金はいわば「お金持ちになるための筋トレ」みたいなものですから、お金持ちを目指している方は、金銭感覚を鍛えるトレーニングのつもりで臨むといいかもしれません。
参考
- Muraven M, Baumeister RF, Tice DM. Longitudinal improvement of self-regulation through practice: building self-control strength through repeated exercise. J Soc Psychol. 1999 Aug;139(4):446-57. doi: 10.1080/00224549909598404. PMID: 10457761.