相続・相続税

【新紙幣の発行が開始】旧紙幣のタンス預金には注意?相続トラブルが起きることも? 問題点やリスク

20年ぶりに新紙幣が発行されました。旧紙幣から新紙幣に変わることにより注意したいのはタンス預金です。タンス預金をしていると思わぬ相続トラブルが起きる可能性があるからです。タンス預金の問題点やリスクを知っておきましょう。

小野 修

執筆者:小野 修

相続・相続税ガイド

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<目次>
新紙幣の発行で思わぬ相続トラブルに?

新紙幣の発行で思わぬ相続トラブルに?

20年ぶりの新紙幣発行。その目的って?

2024年7月3日、20年ぶりに新紙幣が発行され、日本銀行本店では同日朝に記念の式典が行われました。各銀行ではさっそく新紙幣と交換する人の行列もでき盛り上がりを見せていますが、そもそもナゼ新紙幣を発行するのでしょうか? その目的のひとつは「偽造防止」、もうひとつは「タンス預金のあぶり出し」と言われています。

便利なタンス預金。半面、相続税の課税漏れにもなっている現実

タンス預金は「いつでも使える」「相続で凍結されない」「把握されにくい」などの理由から、かなり高額の現金を保管している人も多いものです。その結果うっかり相続税の申告漏れや、悪意で隠し財産とする人もおり、結果として国は相続税を課税できないケースも少なくありません。新紙幣発行に伴い旧紙幣は次第に使いづらくなることから、新紙幣発行は旧紙幣のタンス預金をあぶり出すためと考えられるのも納得です。

タンス預金の相続における問題点やリスクとは

そもそもタンス預金は災害や盗難といったリスクはもちろんのこと、相続税にも影響するため注意したいところ。うっかり申告漏れしてしまい後日に税務調査でタンス預金が判明すると、重加算税延滞税が課税されてしまうことも。タンス預金があっても適切に申告していれば問題ないのですが、タンス預金が多いということで税務調査になりやすいとも考えられます。

他にも相続トラブルになることが?

相続の問題は税金だけではなく、むしろ遺産分割の方が問題となることが多いのです。というのも相続税がかかるのは1割程度の人に限られるためです。これに対し「相続」は多かれ少なかれ遺族全員が対象であり、遺産分割においてタンス預金があるとトラブルになりやすいのです。例えば相続人が「亡くなった親と同居の子と別居の子」のケース。同居の子がタンス預金の存在を別居の子に伝えると、「もっとあるのでは」「これ以外にもらっていなかったか」「使い込んでしまってないか」などの不信感につながります。いくら本当のことを言ってもその疑いが晴れず、これを発端に遺産分割で大モメになることも少なくありません。

新紙幣の発行を機にタンス預金は最小限にしよう

タンス預金は便利な半面、問題点やリスクも多く、できるだけ避けた方が良いと考えられます。何かあってからではお金を失うだけでなく、信頼や円満な家族関係をも失うことにもなり兼ねない。とはいえ現金がゼロというのも何かと不便でしょうから、今回の新紙幣の発行を機に、タンス預金を必要最小限に抑えるよう見直してみるとよいでしょう。
 
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