高齢者が最も多い
より詳しくデータを見ていきましょう。熱中症によって救急搬送された人を年齢別に見てみると、最も多いのは高齢者(満65歳以上)で1351人、次いで成人(満18歳以上~満65歳未満)の688人、少年(満7歳以上~満18歳未満)の215人でした。また、どこで熱中症になったのか、発生場所を見てみると「住居」が一番多く943人で全体における41.4%を占めています。その他、仕事場や屋外などでの発生も多く見られました。
医師が解説! 熱中症予防のポイント
屋外だけではなく屋内でもなりうる熱中症。実はちょっとした工夫で防ぐことができるんだとか。医師でAll About 家庭の医学ガイドの清益功浩さんによると、熱中症を予防するポイントは「こまめな水分補給と、暑さを避ける工夫」だそう。【医師が解説! 熱中症予防のポイント】
・こまめに水分補給をする
・塩分を含む水分摂取を心がける
・温度と湿度による暑さ指数などを見て、その日の行動を考える
・体調が悪い日は不要な外出を控える
・室内でも油断せず、気温や湿度が高くないかチェックする
・扇風機やエアコンなどを適宜使用し、快適な室内環境を作る
・外出するときは帽子や日傘を使用し、直射日光を遮る
・白っぽい涼しい服を着用するなど、衣類を工夫する
・屋外で過ごすときは、すぐに休める涼しい場所を確認しておく
・屋外でスポーツをする場合は、15~20分ごとに必ず休憩を取る
・活動量にあわせて、スポーツドリンクなどを用意しておく
「体には、発汗以外に皮膚や呼気から水分が蒸発していく『不感蒸泄(ふかんじょうせつ)』というはたらきがあり、安静にしていても体内の水分は失われていきます。
そして暑い日は、思っている以上に失う水分量が多くなりがちです。脱水が起こると、体温が高くなり非常に危険。少しでものどの渇きを感じたら、早めに水分をとることが大切です。特に、自己管理が難しい子どもや高齢者には、周りの人が注意をしてあげてください。しっかりと対策をして、熱中症を予防していきましょう」(清益さん)。
<参考>
総務省消防庁「全国の熱中症による救急搬送状況」(速報値)
※あくまでも速報値。後日修正される可能性があります
清益功浩さんのプロフィール
小児科医・アレルギー専門医。京都大学医学部卒業後、日本赤十字社和歌山医療センター、京都医療センターなどを経て、大阪府済生会中津病院にて小児科診療に従事。論文発表・学会報告多数。診察室に留まらず多くの方に正確な医療情報を届けたいと、インターネットやテレビ、書籍などでも数多くの情報発信を行っている。