たとえば“スーパーマーケット”では、カスハラをするのは60代男性が中心で、女性が被害に遭うことが多く、最も対応策の検討が遅れている可能性があるとのこと。
今回はAll About編集部が実施した「カスハラ」に関するアンケート調査(※)から、スーパーの従業員が経験したカスハラ被害のエピソードを紹介する。
お前は誰のおかげで飯が食えてるんだ
「スーパーのレジパートで、70歳くらいの男性客から、『お前は誰のおかげで飯が食えてるんだ』と怒鳴られた。『今日は俺の誕生日だ。おめでとうございますくらい言え』、とも。全く見ず知らずのお客さんからです」(50代女性/東京都)「スーパーでバイトしていた時にいつも通りにポイントカードの有無、お支払いの仕方などをお客様に聞いたら、『出してるだろう! バカが! バカ! バカ!』と言われました。ちなみに、ポイントカードなどは出す前に聞いたのにです」(30代女性/滋賀県)
「スーパーでレジのアルバイトをしていた時、勝手に写真撮影をされた。同じスーパーのレジバイトで、毎回私が担当しているレジに並んでくるお客さんがいて、『仕事が遅い』と怒るのに、ほかの空いているレジには行かない。毎日のように来ては、空いているレジをスルーして私のいる混雑しているレジに並んで文句を言う。私の仕事が遅いわけではなく、それを見ていたほかのお客さんから『気にしなくていい』とフォローの言葉をかけてもらったのが救いだった。レジに立つのが精神的に怖くなる出来事だった」(40代女性/石川県)
怪しい人には近寄らない
続いて、先ほどの回答者に迷惑行為の被害に遭ったときの感情と、カスハラを予防、回避するためにしていることを聞いた(コメントの並びは上記同様)。「バカじゃないの、かわいそうと思いました。誰にも相手にされないので、スーパーに来てくだ巻いてさらに嫌われる悪循環。怪しそうな様子の人には近寄らない。見かけたら警備室に連絡して確認に来てもらうようにしていました」
「凄くかわいそうな人だと思いました。誰も相手にしてくれないから突っかかってくるんだろうと思いました。あやしい人が来たらなるべく会話しないようにして、事なきを得るようにしてました」
「こちらに明らかな非がないのに強く怒ってくるお客さんに対しては、私生活でストレスが溜まっているんだろうなと思った。店員に対して、意識してか無意識かはわからないが、自分のストレスのはけ口にするお客さんは多い。今は接客の仕事をしていないが、していた時はお客さんのタイプを見て対応を良い意味で変えていた。例えば、友達感覚で話すのが好きそうな人には親しみのある口調、子どもさんを連れたお客さんの場合で子どもさんに対応する時は優しく丁寧にが基本。対応しているのは子どもさんでも、親御さんはしっかり見ているので、これは重要だと思う。明らかに八つ当たりや嫌味を言われても、言い返すのはNG。基本的には丁寧に謝罪(悪くなくても)、説明が必要な場面でも丁寧に詳しく、冷静に対応することを心がけていた」
もちろん客からの申し出のすべてが悪質とは限らず、中には商品やサービスの改善につながる“正当なクレーム”もあるだろう。ただ、労働者の就業環境が害されるような不当な言いがかりは問題だ。サービスを受ける側も提供する側も互いに気持ちよくやっていける環境整備が期待される。
<調査概要>
調査方法:インターネットアンケート
調査期間:2024年6月13日~2024年6月23日
調査対象:140人(男性:39、女性:99、その他:1、回答しない:1)
回答者のコメントは原文ママ
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