いちいち腹を立てていてはきりがないが、義両親のものいいはカチンと来がち
「もらってもらえなくなる」
高校生の息子と中学生の娘がいるヒナコさん(48歳)。夫の両親は70代後半になるが、ふたりとも元気で近所に住んでいる。「ふたりとも楽しみにしているので、週に1回くらいは私や夫、ときには子どもたちも行って一緒に食事をとるようにしています。でも最近、やたらと息子と娘に対して、男女差別的な発言が多くて困るんです」
息子はサッカー、娘はヒップホップ系のダンスに夢中なのだが、娘のダンスに義両親はいつも「あんなこと、女の子がやるもんじゃない」と説教をする。
「娘が聞く耳を持たないので、業を煮やしたのか、先日は『あんなことしていると、お嫁さんにもらってもらえなくなる』と。さすがに私も夫も『今どき、そんな言い方はないでしょ』と言ってしまいました。息子に対してはテレビを見ながら、『こういう女は嫁にもらってはいけないよ』と。
もらう、という言い方がどうもひっかかる。犬猫の話じゃないんだから。何度言ってもわかってもらえませんけど」
高齢者だから見過ごしていいとか、そのまま受け流せばいいとかいう問題ではないとヒナコさんは考えている。ふたりとも認知症の気配もなく、しっかりしているのだ。だからこそ考え方を変えてほしいと思っている。
「女はやっぱりかわいげ」
「義父はときどき学生運動のことなどを話すんです。自分たちは男女の別なく、正義と自由のために闘ったのだ、と。そういうことを言いながら、娘には『女の子なんだから、もっとものの言い方に気をつけなさい』なんていう。おかしいだろと思いますよね。ダブルスタンダードであることにも気づいてない。指摘すると『女はやっぱりかわいげがないとダメ。それが現実でしょう』って」“かわいくない”は義父母のキーワードらしく、ヒナコさん自身も義母からしみじみと「あなたはかわいくないわね」と言われたことがある。別にかわいいことに価値を見いだしていませんが、とヒナコさんが言うと、そういうところがかわいげがないのよ、いつか息子に浮気されるわよと脅されたそう。
「浮気はするほうが悪いんですと一蹴したら、『やっぱりかわいくない』と烙印を押されました」
ヒナコさんはそう言って笑った。
>義母は結局は……