急な夏日、妻が熱中症気味で調子を崩す
「つい先日、家族で公園に遊びに行ったんですが、帰りに私の体調がおかしくなってしまったんです」サエコさん(41歳)が夫と9歳、4歳の息子たちと出かけたのは、妙に蒸し暑い日だった。
「冷たい水はもちろん、携帯扇風機やら帽子やら、いろいろ装備して出かけたんです。徒歩20分くらいで楽しめる場所だから、みんなで散歩がてら行きました。子どもたちは池の水に足をつけたり走り回ったりと楽しそうでした」
そういう場所でも、いや、そういう場所だからこそ今の時代、親は子どもから目を離せない。ある程度、緊張感を保ちながらサエコさんは子どもたちを見守っていた。だが、夫はもっと気楽である。気が向けば子どもをかまい、疲れれば自分だけその場に寝転んでしまう。
「ねえ、ちゃんと子どもたちを見ててね! と夫に念を押して、次男をトイレに連れて行ったんです。戻ってくると案の定、長男が見当たらなくて……。夫がうっかり目を離したと。広い公園なので、あわてて探しに走りました」
長男は少し離れたところに興味のある遊具を見つけ、その場にいた他の子たちと遊んでいたようだ。心配するほどのことではなかったが、サエコさんは子どもを見つけると安心してへなへなと座り込んでしまった。
「そんなこんながありながらも、数時間、持っていったおにぎりを食べたり公園の売店でソフトクリームを買って食べたりと楽しく過ごしました。帰りは下の子が眠ってしまったので夫が背負って。帰宅後は子どもたちにシャワーを浴びさせました。
帰り道のあたりからなんとなく調子がおかしかったんですが、子どもたちがシャワーを浴び終わったころ、私は妙に寒気がして頭が痛くなって……」
帰宅後、体調がどんどん悪くなっていく
過去にサエコさんは熱中症になったことがある。そのときと同じだと感じたので、夫に「冷凍庫に保冷剤があるからもってきて」と頼んだ。ところが夫はなかなか戻ってこない。保冷剤、どこにあるのと声は聞こえるが、サエコさんは気分が悪くて答えられない。「上の子があわてて保冷剤を探し出してくれました。それを首の後ろや脇の下、ももの付け根などに当ててとにかく体を冷やしたんです。夫は『え、ね、熱中症? どうすればいいの』とあわてふためくだけ。スポーツドリンクが冷えているはずだから持ってきてと上の子に頼みました」
夫がおろおろしているのが目の端に見えた。
>ただうろたえて、救急車を呼ぶ夫