Q:1962年3月生まれ現在62歳です。いまも働きながら厚生年金を払っています。繰り上げ受給するといくらぐらいになるのでしょうか?
「1962年3月生まれ現在62歳です。いまも働きながら厚生年金を払っています。繰り上げ受給するといくらぐらいになるのでしょうか? ちなみに、厚生年金と国民年金の加入期間は、480カ月を満たしています」(かずくん・男性)年金を繰り上げるとどのくらいもらえるの?
A:繰り上げ受給は、繰り上げ請求した時点の減額率で一生涯年金が減額されたり、さまざまなデメリットがあるので注意が必要です。年金受給額は年金事務所に確認しましょう
老齢年金(老齢基礎年金と老齢厚生年金)は、原則として65歳から受け取れます。65歳より前から老齢年金を受け取りたいのであれば、60歳から65歳までの希望する時期に繰上げ受給の請求をすることができます。ただし繰り上げ受給をすると、ひと月あたり0.5%※、年金受給額が減額されます。この減額率は一生涯変わりません。
【繰り上げ受給の減額率】
減額率(最大30%)= 0.5%※×繰上げ請求月から65歳に達する日の前月までの月数
※昭和37年4月2日以降生まれの方の減額率は、0.4%
たとえば65歳からもらえる年金を64歳からもらう場合は、12カ月×0.5%=6%なので、65歳からもらえる年金額より6%少ない金額の年金を受給することになります。繰上げした場合の受給額は最寄りの年金事務所で確認してみましょう。
つまり繰り上げ請求すると、年金を早くもらえますが、長生きすればするほど、トータルで受け取れる年金受給額の合計が少なくなります。
さらに繰上げした場合のデメリットもあります。一度、繰り上げ請求すると、取り消しはできません。また、国民年金の任意加入や、保険料の追納もできなくなり、繰り上げ請求した日以後は、事後重症(障害認定日には基準に該当しない障害状態の場合、その後障害の状態が重くなること)などによる障害基礎(厚生)年金を請求することができません。
また、相談者は、今も働きながら厚生年金に加入しているとのことですが、厚生年金に加入して収入を得ている場合は、基本月額(老齢厚生年金の報酬比例部分)とおおよその給与収入(総報酬月額相当額)の合計が支給停止基準額50万円(令和6年度)を超えると、老齢厚生年金受給額の一部、もしくは全額が支給停止されます。
繰り上げ受給のデメリットをよく把握して手続きするようにしましょう。
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監修・文/深川 弘恵(ファイナンシャルプランナー)