レトロな「新世界」と歴史都市「天王寺」をご案内!

通天閣、ビリケン、芝居小屋…と昭和の香りを残すレトロな人工都市「新世界」と、聖徳太子ゆかりの寺も残る落ち着いた歴史都市「天王寺」をご紹介します。異質なものが隣接する、魅力ある大阪下町エリアで必見です!

テーマパークのまち・新世界

じつは新世界という地名や駅名は大阪にはなく、住所は「恵比須東」で、最寄駅も地下鉄「恵美須町駅」(梅田駅より約13分。難波駅より約5分)です。明治36年(1903)に第5回内国勧業博覧会が開催されて、広大なネギ畑がネオン輝く博覧会場となり、博覧会終了後にはルナパーク(遊園地)が作られて、大阪人が「これぞニューワールドや!」と騒いだことで新世界と呼ばれるようになりました。観光客には昔懐かしい昭和レトロな歓楽街で人気ですが、じつは100年ほどの歴史しかない人工的な新興都市です。

新世界・通天閣
言わずと知れた新世界名物の通天閣です。いまや新世界はおろか、大阪を代表する観光名所となっています
そんな新世界の中心に位置するのが通天閣(恵美須町駅より徒歩約3分。明治45年(1912)にエッフェル塔と凱旋門を模して作られ、若き日の松下幸之助(パナソニック創業者)も配線工として参加しました。残念ながら太平洋戦争中に解体されて、現在は1956年再建の2代目ですが、新世界のシンボルとして親しまれています。

通天閣・ビリケンさま
通天閣展望台にいるビリケンさま。足の裏をくすぐると喜んで願い事を叶えてくれるそうで、見事に凹んでいます
通天閣の展望台にいるのがビリケンさまで、明治41年(1908)にアメリカの女流美術家E・I・ホースマンが夢に登場した福の神を人形化しました。これを見た「けったいなもん好き」(けったい=大阪弁で「奇妙な」)の大阪人が、勝手に七福神に足して「八福神めぐり」なんてのをやると、これが大ヒット。一躍、新世界名物となりました。一見するとキモカワですが、いまで言えば、せんとくんの大先輩といえるかも知れません。

さて、新世界には色々な娯楽がありますが、意外と知られていないのが「芝居のまち」であること。博覧会やルナパークの時代から、新世界は大衆を喜ばせる「見せ物のまち」として発展して、自然と旅役者、大道芸人が集まって、大いに賑わいました。おかげで新世界周辺には、いくつもの芝居小屋が散見しています。

大衆演劇・朝日劇場
大阪・新世界を代表する大衆演劇の聖地・朝日劇場です。100年もの歴史を誇り、ミヤコ蝶々、藤山寛美、ディック・ミネなど、錚々たる役者が舞台に立ちました
まず通天閣の地下には松竹芸能がプロデュースする通天閣劇場TENGEKI(恵美須町駅より徒歩約3分)。毎週土日に漫才、落語の興行があって、月曜日には歌謡ショーの通天閣歌謡劇場が開催されます。また大衆演劇の聖地として有名なのが朝日劇場(恵美須町駅から徒歩約5分)と、浪速クラブ(恵美須町駅から徒歩約5分)。涙と笑いの大衆演劇は、一度はまると抜け出せない面白さで、新世界に来たなら是非、体験してほしい浪花の下町文化です。

また新世界はグルメスポットとしても有名。最近は串かつブームで、ジャンジャン横丁のだるま、てんぐ、八重勝などは、いつも大行列ができていますが、新世界は串かつだけではありません。創業70年を誇る洋食屋のグリル梵、大阪名物ふぐ料理のづぼらや、名物・黒豚とんかつで知られる創業60年以上の和食処万よし、創業明治40年で更科系そばを関西一円に広めた総本家更科、新世界唯一のフランス料理店のビストロ・ヴェー、原軒など老舗・有名店がずらりと並んでいます。芝居を観たあとは食事を楽しむ…というのが大阪庶民の娯楽の方程式で、新世界は「芝居のまち」であり、また「くいだおれのまち」です。隠れた名店も多いので要チェックしてください。

「もとは博覧会場や遊園地であった」という新世界は、他に例がない唯一無二の都市です。独特の下町文化を形成していますが、まち全体がテーマパークのようで遊び心に満ちあふれています。懐かしいけど新しい。ぶらぶらと散策して、ニューワールドな気分を満喫してください。