相場に振り回される投資法とは
まず、相場に振り回される投資の仕方とはどのようなものか考えてみます。ここでは便宜上、「株価が上下に激しく動きやすい銘柄」に投資することを「相場に振り回されやすい」と考えます。このとき、相場に振り回されやすい投資先は、以下のようなケースがあります。景気に敏感な株
景気に敏感な株とは、景気が良くなると株価が上がり、悪くなると株価が下がる株を指します。例としては、工作機械メーカーや素材産業などが挙げられます。景気に敏感な企業は、景気が良いときは業績が大きく上がる一方で、景気が悪くなると業績が大きく下がります。事業そのものが乱高下しやすいため、相場にも振り回されやすくなります。
競争が激しい業界の株
競争が激しい業界では、新しい技術や商品が次々と出てきます。例えば、テクノロジー企業やファッションブランドの株です。競争が激しい業界では、成功する企業がコロコロと入れ替わります。業績も乱高下しやすいため、株価も乱高下しやすく、相場に振り回されやすいと考えられます。
派手な株
人気や不人気の高低差が激しい株にも気をつけましょう。派手な株は一時的に人気を集めることもありますが、株価が上がりすぎてプチバブルになることがよくあります。例としては、SNSで話題になる新興企業や、短期間で急成長したスタートアップ企業の株があります。こういう株を買うと高値づかみになり、株価が下がるリスクが高いです。
これらの銘柄に投資する場合、株価が大きく動くたびに不安になるので、景気の動きを常に監視する必要があります。相場に振り回されたくない方は、避けたほうがよいかもしれません。
相場に振り回されない投資法とは
一方、相場に振り回されない投資法についても考えてみましょう。ここでは、株価が乱高下しにくく、安定した配当収入を得やすい投資先を考えてみましょう。筆者の経験上、相場に振り回されにくい投資先としては、以下のような銘柄が挙げられます。必需品を扱う産業の株
まず、通信業や自動車保険など、人々が常に利用する必需品を提供する会社が挙げられます。これらの企業は景気に関係なく必要とされるため、景気が悪くなっても業績が悪化しにくく、安定した配当を受け取りやすいです。
寡占市場に属する企業の株
ほかにも、市場で少数の企業が大きなシェアを持っている業界も挙げられます。寡占市場は競争が少ないため、価格競争やシェア争いによって業績が悪くなるリスクが低いです。海外であれば「スマートフォン(アップルvsアンドロイド)」や「パソコンのOS(マイクロソフトvsアップル)」といった企業は、ほぼ市場を独占しているため、収益基盤が安定していると期待できます。
地味な株
さいごに、地味な株も狙い目です。ニッチ企業などの地味な会社は、あまり目立たないので、安く放置されていることが多いです。これは「いますぐドカンと上がる株を買いたい!」という方にとっては不都合かもしれません。その一方で、「地道にコツコツ株を買い続けたい」という方にとっては、長期的に安く買い増せる地味な株は魅力的です。地味な株は割安なものが多いため、少ない投資資金で、たっぷり配当収入を受け取れる株も見つけやすいです。
まとめ
以上をまとめると、相場に振り回されないためには、まず景気に敏感な株や競争が激しい業界の株、派手な株を避けるのがよいでしょう。その代わりに、必需品を扱い、寡占市場に属する、地味な株を選ぶとよさそうです。これにより、景気循環や競争、バブルなどによって株価が乱高下しにくく、安定した配当収入を得ることができる投資先を見つけやすくなると思います。ジェットコースターのように乱高下する投資が苦手な方は、ぜひ、これらのポイントを意識してみてはいかがでしょうか。