株の平均的な儲けは何で決まる?
まず、そもそも株の儲けは「どこから来るか?」「どのようにして儲けが決まるか?」という理屈についておさらいしましょう。大まかな理屈として、株の平均的な儲けは、「投資資金に対して、投資先がどれくらいお金を稼ぐか」で決まります。たとえば、1億円で不動産を買って、その不動産で年1000万円の家賃収入(利益)を稼げたら、その投資は「年率10%」といえます。
株もこれと同じで、たとえば1億円で企業を買収して、その企業が年1000万円の純利益を出していたら、投資の儲けは「年1000万円」もしくは「年率10%」といえます。
このとき大事なのは「投資したお金」に対して、「どれくらいの収入」が得られるか?です。少ない投資資金で大きな収入につながるほど、資本効率が良くて、良い投資と言えます。
そして、株の平均的な儲けは、「平均的な会社に投資をした場合、投資資金に対して、どれくらいの利回りが得られるのだろうか?」という話だと言えます。
株の平均的な儲けを調べる方法
株の平均的な儲けを調べるには、株価指数の利回りを見るのがてっとり早いです。これらの指数は、大きく儲かった株や、あまり儲からなかった株など、ひとまとめにして平均的な利回りになるからです。日本株の平均的な儲けを知りたい場合は、日経平均株価やTOPIX(東証株価指数)が過去にどれくらいの利回りだったのかを調べるとよいでしょう。同じ理屈で、米国株の平均的な儲けを知りたい場合は、S&P500指数やダウ平均といった株価指数の利回りを調べると効果的です。
目下の日本株を見ると、日本企業の平均的な利回り……つまり、自己資本(投資資金)に対する利益率は10%弱と言われています。つまり、100万円の自己資本(投資資金)に対して、10万円弱の利益を出せるということです。米国株はこれよりも少し高くて、平均的な自己資本利益率は12%くらいです。
実際に投資をする際には、バブルじみた高値の株を買ったり、平均以下の資本効率で経営されている会社の株を買ったりすると利回りが下がります。また、インデックス投資などで指数(=インデックス)に連動する投資信託に投資した場合でも、信託手数料や税金といったコストがかかります。これらの影響で、実質的な利回りは投資先企業が稼いでいるお金よりもやや少ない額になります。
日本株の平均的な儲けは「年率7~8%」(年率10%より2~3%低いくらい)、米国株の平均的な儲けは「年率9~10%」(12%より2~3%低いくらい)になるんじゃないかと、筆者は認識しています。
まとめ
株の平均的な儲けは「年率7~8%」と考えると、だいたい10年で資産評価額が2倍になるペースです。けっこう利回りが高いですね。もちろん、利回りが高いのには理由があります。あくまで年率7~8%というのは経験則から導いた「こんな感じかな」という皮算用に過ぎないからです。景気が悪くなって、投資先の業績が悪化すれば株価が2~3割下がるリスクもあるということです。それに、これから株式市場全体の利益率が落ち込む可能性もあります。
そうはいっても、目下では物価が上がっています。財産の大部分を貯金だけで過ごすのは心配です。資産の一部を株式投資に当てて、上手に財産を守りたいですね。