貯蓄

500万円を「0.25%」の定期預金を残り3年満期持たずに解約して「0.5%」の定期預金に預けた方が、得でしょうか?

Aさんは、500万円を年利0.25%の定期預金(満期まで残り3年ほど)に預けています。しかし最近、年利0.5%の定期預金を見つけたそうです。年利0.5%といえば、現状の年利0.25%と比べて2倍の金利です。この場合、低い金利の定期預金を解約して高い金利に預けた方が「得」なように感じますが、実際はどうなのでしょうか。

舟本 美子

執筆者:舟本 美子

おひとりさまのお金・ペットのお金ガイド

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<目次>
老後資金などの準備で定期預金を利用する人は多いでしょう。今回は、定期預金の預け先をどうするか悩んでいるAさんをご紹介します。

Aさんは、500万円を年利0.25%の定期預金(満期まで残り3年ほど)に預けています。しかし最近、年利0.5%の定期預金を見つけたそうです。

年利0.5%といえば、現状の年利0.25%と比べて2倍の金利です。「すぐに預けた方が得かも」と思ったそうですが「もしかしたら、今のまま満期まで置いておいた方がよいかもしれない……」とも思ったそうです。そんな場合、どちらが「得」なのでしょうか。
定期預金を途中解約して高い金利に預けるのは得なの?

定期預金を途中解約して高い金利に預けるのは得なの?

今加入している定期預金を途中解約して、別の定期預金に預けることを検討するときは?

500万円を年利0.25%の定期預金に預けており、満期まで残り3年ある状況で、年利0.5%の定期預金に預け替えるか検討するときは、以下の①と②それぞれの利息を計算しましょう。

①年利0.25%の定期預金を途中で解約し、年利0.5%の定期預金に預け替えた場合
②そのまま年利0.25%の定期預金に預けた場合


仮にですが、Aさんが預けた定期預金は以下のような商品とします。

・期間5年のスーパー定期預金
・500万円
・金利0.25%


この場合、預け入れた期間は現在までで2年未満とします。

中途で解約した場合の利率は、当初の預け入れ期間と、解約までの期間がどのぐらいかで変わります。

今回は中途解約利率として以下のような利率が適用されるものと仮定します。「中途解約利率=約定利率(預け入れたときの金利)×20%」。

●5年満期の定期預金を期間2年未満で解約した場合に得られる利息はいくら?
「中途解約利率=約定利率(預け入れたときの金利)×20%」
・途中で解約した場合に得られる利息:500万円×0.25%×20%=2500円

●その後、年利0.5%の定期預金に3年間預けた場合、得られる利息はいくら?
・元金:500万円
・年利:0.5%
・期間:3年
・3年間の利息:500万円×0.5%×3年=7万5000円
2500円+7万5000円=7万7500円

合計で7万7500円(税引き前)の利息となります。

受け取った利息から、それぞれ税率20.315%が差し引かれますので、ざっくりと計算すると「7万7500円-1万5744円=6万1756円」となります。

一方で、今のまま、5年間500万円を金利0.25%で預けた場合はどうなるのでしょうか?

●年利0.25%の定期預金に5年間預けて得られる利息はいくら?
・元金:500万円
・年利:0.25%
・残り期間:5年

・5年間の利息:500万円×0.25%×5年=6万2500円

実際は、受け取った利息から、税率20.315%が差し引かれます。そのため、年利0.25%の定期預金で5年後にもらえる税引き後の利息は「6万2500円-1万2696円=4万9804円」となります。

2つの利息を比べた場合、年利0.5%の定期預金に預け替えた方が1万1952円(6万1756円-4万9804円)の利息が増えます。この場合は、途中で定期預金を解約したとしても、金利が高い方に預け入れたほうが多くの利息を受け取れることになります。

適用される中途解約利率によっても違いますので、今預け入れをしている定期預金の中途解約利率を調べて、どちらがお得かは比較してみるといいでしょう。
 

まとめ・定期預金を途中解約するときの注意点2つ

金利だけを比較するのであれば、低い金利の定期預金を解約して高い金利の定期預金に預け替えた方が得のように感じます。しかし、定期預金は、満期まで継続することを約束する代わりに、普通預金よりも高い金利が得られる金融商品です。中途解約するときは、以下のような点に注意しましょう。

●定期預金を途中解約するときの注意点1:解約手数料がかかる
一部の金融機関では、定期預金を解約する際に手数料が発生する場合があります。

●定期預金を途中解約するときの注意点2:利息に損失を被る
途中解約することは可能ですが、その際、受け取ることができる金利は、当初の金利よりも低い利率となる場合が多くあります。

途中解約にあたり、これらのペナルティーを受けるとなれば預け替えが「得」とはいえないかもしれません。金利が高いだけに注目するのではなく、銀行に途中解約に伴う手数料と利息の損失額を確認して、それよりも新しい金利で得られる利益の方が上回るかどうかを慎重に考慮しましょう。
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