生活習慣病とは?
食事、運動、喫煙、飲酒、ストレスなど、日常生活の習慣が原因となって発症する病気の総称のことです。これらの病気は、長年にわたる生活習慣の積み重ねによって徐々に進行し、発症することが多いため「慢性病」とも呼ばれます。生活習慣病は複数の疾患の総称となっており、代表的なものは次の通りです。
・糖尿病
・高血圧
・脂質異常症(高脂血症)
・心疾患
・脳血管疾患(脳梗塞、脳出血など)
・肝疾患(脂肪肝、肝硬変など)
・がん(特に食事や喫煙、飲酒と関連するもの)
・慢性気管支炎
生活習慣病は、複数の疾患が重なりやすいという特徴があります。たとえば、肥満であれば、高血圧や糖尿病、脂質異常症などを発症しやすく、それがもとで心疾患や脳血管疾患のリスクを高める場合があります。
「3大疾病」と「7大疾病」の対象になるのはどんな病気?
「3大疾病」と「7大疾病」は、生活習慣病の一部の疾病のことを指しています。それぞれ対象になる病気を確認しましょう。【3大疾病】
・がん(悪性新生物)
・心疾患(急性心筋梗塞、狭心症、心不全など)
・脳血管疾患(脳梗塞、脳内出血、くも膜下出血など)
【7大疾病】
上記の「3大疾病」に、以下の病気を加えたものが「7大疾病」といいます。
・高血圧性疾患(高血圧症、高血圧性心不全など)
・糖尿病
・肝疾患(肝硬変、肝炎、脂肪肝など)
・腎疾患(尿管結石、慢性腎不全、腎盂炎など)
さらに、膵疾患(慢性膵炎など)を加えると「8大疾病」となります。
厚生労働省の「令和4年(2022年)人口動態統計」によると、悪性新生物(腫瘍)、心疾患、脳血管疾患の3つで2022年の死亡者の全死因のうち約50%を占めています。
次は、7大疾病の入院患者数と入院患者総数に占める割合もみてみましょう。多い順に脳血管疾患が10.2%、悪性新生物(腫瘍)が9.4%、心疾患(高血圧のものを除く)が4.8%、慢性腎臓病が1.9%となっています。
●7大疾病の入院患者数と入院患者総数に占める割合
出典:厚生労働省「令和2年(2020年)患者調査の概況」をもとに筆者作成
50代以上が3大疾病・7大疾病の保障を検討するときのポイント
生活習慣病が気になりだす50代以上が、生活習慣病の備えとして「3大疾病」「7大疾病」などの保障を検討するときのポイントをご紹介します。3大疾病や7大疾病に対する保障には、病気と診断された時点で一時金が支払われるタイプの「診断一時金」、生活習慣病の長期入院に備えるタイプの「入院給付金」があります。検討するときは、以下の事柄を考慮しましょう。
●負担にならない保険料で検討する
50代以降は生活習慣病のリスクが高まることから保険料も上がりがちです。大きい保障は安心かもしれませんが、負担する保険料も高くなります。50代は、定年後の収入減、年金内での生活を見据え固定費を減らす時期です。3大疾病・7大疾病の保障を検討するときは、将来にわたり、家計に大きな負担がかからない保険料の保障を検討しましょう。
●給付金が支払われる要件を確認する
保険商品ごとに給付金が支払われる要件が異なります。たとえば、がんの給付金の場合は、初期の段階である「上皮内新生物」と「悪性新生物(腫瘍)」では、給付される「診断一時金」に差があるケースが多くあります。
また、心疾患や脳疾患の給付条件も、一定期間の入院または通院治療が給付条件となっていたり、後遺症が一定期間(通常は60日以上)継続したりすることが必要となる場合もあります。
加入前に確認を怠ると、「いざというときに給付金が支払われない」ということになりかねません。給付金が支払われる要件を確認しておきましょう。
●給付金が支払われる回数を確認する
保険商品ごとに、病気ごとの給付金の支払い回数が一回限り、回数無制限、複数回など設定が異なります。また、同一疾病で再発したときに給付される際の条件についても、最初の診断から一定期間が経過していることなどが設定されています。
3大疾病・7大疾病の保障を検討する際は、自身の健康リスクや経済状況を考慮したうえで、最適な給付回数と支払われる要件を備えたものを選びましょう。