株は「5月に売って9月に買う」といい?
本記事では、株を「5月に売って9月に買う」と利益につながるかどうか、過去の価格データを集計して調べてみました。具体的には、野村アセットマネジメントの上場投信である「NEXT FUNDS 日経225連動型上場投信<1321>」が、5月から9月にかけてどのように値動きしているかを調べてみました。2004年から2023年までの20年分の価格データを集計した結果、以下の結果が得られました。画像のグラフをご覧ください。
これは、日経平均株価連動型ETF※の累積リターン(単利)を集計したものです。相場格言に従って「5月に売って9月に買う(順序的には9月に買って5月に売る)」場合と、逆に「5月に買って9月に売る」場合とで、成績の違いを調べました。
※ETFとは上場投資信託のこと
その結果、たしかに「5月に売って9月に買う」と日本株の成績は良かったです。過去20年で累積リターンが約180%あり、1年あたり+9%のリターンがありました。一方、5月から9月までは株価が伸び悩み、株を持っていてもほとんどリターンがありませんでした。
もちろん、これはあくまで経験則に過ぎません。だから、「過去の成績が悪かったから」という理由だけで、株を売るのは動機が弱いです。事実、「5月に売って9月に買う」という経験則は、1950~1990年までの行動成長期~バブル経済期には当てはまりませんでした。景気が良いときは、相場格言を気にせずに株を持ち続けたほうが利益が出たので、気にしすぎないほうがよいでしょう。
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もともと「株を5月に売って9月に買う」という相場格言はアメリカのものでした。海外の相場格言が日本株にも通用することはよくあり、これもその1つだったと言えるでしょう。
少なくとも、この格言は1990年以降のバブル崩壊以降は有効でした。景気に陰りが見えていたり、株を売って守りを固めたりしたいときなど、この格言を参考にすると、良いタイミングで株を売り抜けられるかもしれません。