Q. 「学校に行けない」のは悪いことですか? 不登校のまま、大人になっても大丈夫でしょうか?
A. 学校に行っていようがいまいが、あなたの価値は変わりません。あなたが不登校をどう捉えて、どう行動するかが大切です。そもそも、大丈夫とはどういう状態でしょうか? 不登校に限らず大人になってからでも、大丈夫ではない状態は多々起こりえます。例えば、難関大学を卒業し大手企業に就職するも、会社が倒産したり、周囲と合わず精神的に苦しくなってしまったり……と考え出すときりがありませんし、それはだれにも予測できません。
「不登校のまま、大人になっても大丈夫なのか」と悩んでしまうのは、先の見えない状況に対して不安感が大きくなってしまっているからでしょう。その不安感の要因は「自己否定」です。「学校に行っていない自分はダメ人間なんだ」という思考になってしまっているのです。しかし実は、ただ学校に行っていないだけのこと。学校に行ってようがいまいが、あなたの価値は変わりません。
では、なぜ自己否定してしまうのか。それは「他者比較」をしてしまっているからです。「他の人は学校へ行っている。でも私は学校へ行っていない」というように比べてしまうと、「どうして自分はこうなんだ……」という否定につながります。
自己否定が大きくなりすぎると、生きていることへの罪悪感にすらつながってしまいます。
負の思い込みに「それってホント?」と問いかける
では、どうすればよいのでしょうか? それは、出てくる不安に対して「それってホント?」と問いかけてみることです。例えば、不登校だといい高校に行けない、いい高校に行けないといい大学に行けない、いい大学に行けないと就職できない――。そのような負の思い込みのループが頭のなかで起きてしまった場合、それぞれに問いかけるのです。
例えば、
「不登校だといい高校に行けない、それってホント?」
→たしかに公立の進学校は難しいかもしれませんが、私立高校だと可能性はあるかもしれません。
「いい大学に行けないといい企業に就職できない、それってホント?」
→今やどんな企業も、いつどんな形で経営が傾くか分からない世の中で、いい企業というのは存在するのでしょうか? また働き方が多様化していて、企業等に就職することだけが生きていく道ではありません。個人がSNSなどで情報を発信できる世の中になり、どんなことにも価値が生まれ、仕事になる可能性を秘めている時代です。
不登校を経験して大人になり、自己実現をしながら自身の人生を楽しんでいる人はたくさんいます。
「不登校=悪いこと」のように、白黒ジャッジをして物事を否定しがちな人は、考え方も重くなりがちです。今の状況をもっと軽やかに捉えてみましょう。そうすると未来に視点が向くはずです。
不登校と人生の良し悪しは、自分でその因果関係をつけない限りは、関係ありません。