Q. 資産の一部を新NISAに移そうと考えていますが、運用の仕方を悩んでいます
「趣味半分の株式投資が予想を超えて膨らんでいます。老後資金は貯まったのですが、資産を安定化すべく、新NISAに若干移すことを検討しています。ただ定年まであと10年を切っていることもあり、たとえインデックスファンドでもリスクを積み上げることにためらいを感じています。物価連動国債ファンドのような債券ファンドを検討すべきでしょうか? あるいは今後インフレが続くことを見越して、インデックスファンドへの投資を継続すべきでしょうか?」(常に金欠さん/57歳/正社員/本人年収680万円)<金融資産>現金1900万円/リスク資産1億2000万円
定年が近くなり、運用の仕方に悩んでいるという50代男性
A. 「金融資産は十分あるので、過度にリスクをとる必要はないと思います」(深野さん)
2023年のインフレ率は大体3%ぐらいでした。インフレに負けないことを考えるのであれば、投資で3%以上のリターンを得られればいいわけです。例えば、リスク資産1億2000万円の半分(6000万円)が6%ぐらいのリターンを得られれば、リスク資産全体では3%のリターンになります。定年まで10年を切っていて、リスクを積み上げることにためらいを感じているのであれば、無理をする必要はないと思います。現在、生活費がどれぐらいかかっているかにもよりますが、定年までの間にもう少しリスク資産を減らしてもいいのではないでしょうか。
仮に、保有されている現預金とリスク資産の割合を半々にしたとして、考えてみましょう。先にもお伝えしたように、リスク資産で年間6%のリターンが得られていれば、インフレを考慮しても資産全体としては3%のリターンで回っていることになります。
このように、資産全体でどれくらいの収益を上げているかを考えるようにすれば、過度のリスクをとる必要はないと思いますよ。
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教えてくれたのは……深野 康彦さん
マネープランクリニックでもおなじみのベテランFPの1人。さまざまなメディアを通じて、家計管理の方法や投資の啓蒙などお金まわり全般に関する情報を発信しています。All About貯蓄・投資信託ガイドとしても活躍中。著作に『55歳からはじめる長い人生後半戦のお金の習慣』(明日香出版社)、『あなたの毎月分配型投資信託がいよいよ危ない!』(ダイヤモンド社)など