日本ではペット同伴搭乗を許可している航空会社は少ないが、お隣の国はどうだろうか。韓国の航空会社とペットの機内同伴条件、そしてペットとの共生社会を目指す韓国の現在を紹介する。
ペットは機内同伴可能
韓国の主要航空会社のペット同伴規定は下記の通りである。多少の条件の違いはあるものの、機内同伴可能だ。【大韓航空】
・同伴可能なペット:生後8週間以上の犬、猫、鳥(貨物室での預かりは生後16週間以上)
・機内持ち込み条件:ペットとケージの合計重量が7kg以下で、機内でペットをケージから出すことはできない。大人1人あたり1匹(受託荷物では2匹可)
・ペット輸送料:国内線3万ウォン(3460円)、国際線(日本)15万ウォン(1万7304円)
・その他:SKYPETSサービスあり。ペット運送料金にもマイレージ使用可能で、ポイント加算あり
【アシアナ航空】
・同伴可能なペット:生後16週間以上の犬、猫、小鳥類
・機内持ち込み条件:ペットとケージの合計重量が7kg以下。機内でペットをケージから出すことはできない。大人1人あたり1匹(受託荷物では2匹可)
・ペット輸送料:国内線3万ウォン(3425円)、国際線(日本)14万ウォン(1万5987円)
・その他:ペット運送料金にもマイレージ使用可能で、ポイント加算あり。機内持ち込み用ペットケージは国内の空港(仁川空港を除く)で購入可能
【チェジュ航空】
・同伴可能なペット:生後8週間以上の犬、猫、鳥
・機内持ち込み条件:ペットとケージの合計重量が7kg以下。機内でペットをケージから出すことはできない
・ペット輸送料金: 国内線1匹2万ウォン(2283円)、国際線(日本)7万ウォン(7993円)
・その他:「ペットパス」サービスあり(ペット向けスタンプ積算サービス)。同伴イベントなどを不定期開催
【ティーウェイ航空】
・同伴可能なペット:生後8週間以上の犬、猫、鳥
・機内持ち込み条件:ペットとケージの合計重量が9kg以下。機内でペットをケージから出すことはできない。大人1人あたり1匹
・ペット輸送料金: 国内線3万ウォン(3425円)、国際線(日本)10万ウォン(1万1419円)
・その他:「t’pet」サービスあり(ペット向けスタンプ積算サービス)
その他、ジンエアー、エアプサン、エアソウル、エアプレミア、イースター航空、エアロK、旅客運航を行うほとんどの航空会社が、ほぼ同様の規定でペットの客室内同伴搭乗が可能だ。
拡大するペットツーリズム市場
韓国ではペットのことを「伴侶動物」と表現する。特に伴侶動物を家族同然に考えている人々のことをペッペム族(펫팸족/Pet+Family)、伴侶動物を自分を愛するがごとく大切に考えている人たちのことをペッミ族(펫미족/Pet+Me)と呼ぶ。KB金融グループが毎年発表している「伴侶動物報告書」(2023)によると、2022年末には伴侶動物と暮らす世帯数は552万で、これは全世帯数の25.7%にあたる。人口では1262万人にあたり、5人に1人が伴侶動物と暮らしている計算になるという。
また、1年間に伴侶動物を同伴して旅行に出かけたことがある割合を調べた韓国観光公社の「伴侶動物同伴旅行実態調査(2022)」によると、65.7%が日帰り旅行の経験あり、53%が宿泊を伴う旅行の経験ありと回答している。
ペットと共に暮らす人は年々増え続けており、ペット関連市場も成長を続ける中、「ペットツーリズム」にも注目が集まっているのだ。
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