0.5mmでのなめらかな書き味にも注目してほしい
今回の「フリクションシナジーノック」で面白かったのは、0.5mmも従来のものより圧倒的に書きやすかったことなのですが、それに関しては「0.5mmまでがシナジーチップの効果を感じられる限界だと思います。0.7mmになると、もうコーンチップとほとんど差がなくなってしまいます」ということでした(長田さん)。 「『フリクションシナジーノック』は、もともとは、『フリクションポイントノック04』の0.3mmバージョンを出そうというところから始まりました。ただ、同じ0.3mmを出すだけでは面白くないし、世間的にも『シナジーチップ搭載のフリクション』の書きやすさが、いまひとつ浸透していない感じでしたから、それなら全面的にリブランディングしようというところから出来た製品なんです。なので、フリクションシリーズ初の0.3mmというのが注目されると思うのですが、ぜひ0.5mmの書き味にも注目してほしいと思っているんです」と長田さんも言います。
海外では、すでに「フリクションポイントノック」の0.5mmを発売していたそうですが、国内では今回が初の発売です。
そして、やはりフリクションボールノックは、フリクションインキの粒子が大きいこともあって、書き味のなめらかさという点では、他のゲルインクボールペンなどに比べると、一歩譲る感じだったのです。
ところが、今回の0.5mmなら、日常の筆記に、それこそシャープペンシルの代わりにも使えると感じて、実際、普段はシャープペンシルを使っていた確定申告の明細作りのメモに、「フリクションシナジーノック(0.5mm)を使ったほどです。
リブランディングというより“新製品”と言えそうな変化
シナジーチップの威力を端的に感じるには、0.5mmが有効だと感じたのですが、フリクションインキで0.3mmが可能になったのも、シナジーチップだからこそなのです。つまり、インクの粒子が大きくても、なめらかに細い文字が書けることを実現するためには、シナジーチップが必要だったということです。「なので、『フリクションポイントノック04』の0.3mmを発売するというのでも良かったのかもしれません。ただ、そのままでは、シナジーチップの可能性を生かすことはできないかもしれないと思い、それならデザインから何から全部変えてしまおうと考えました。しかし、『フリクションポイントノック04』が売れていないというわけでもないので、実際、変えてしまっていいのかというのは、かなり悩んだところです」と長田さん。
リブランディングとして、「フリクションポイントノック04」と今回の「フリクションシナジーノック」では、デザインが大幅に変わっています。マットなグレーの軸にインク色に合わせた透明パーツのクリップ、「ポイントノック」では金属パーツだった口金は樹脂パーツに変更されて、全体的に落ち着いたイメージになりました。
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