お金で苦労しないようにするために何を教える?
中原にも娘がいます。娘はもうすぐ4歳になります。健康で、努力家で、真心を持っている娘がすくすくと育っていく姿を見ると、どんな大人になるんだろうとワクワクします。
僕を含め、子を持つ親は「良い学校に入って欲しい」とか「お金持ちになって欲しい」とか、つい欲が出てしまうものです。本当は幸せに生きて、社会にうまく適応してくれていたら、それだけで十分なんですけれどね。気を抜くと、つい「学歴」とか「お金」とか、分かりやすいもので考えてしまうんです。
人生、お金が全てとは思いません。とはいえ、お金が足りないと困るのも事実です。「大金持ち」とまではいかないまでも、我が子に経済的に豊かに暮らしてもらうために、親にできることは何なのでしょうか?
我が子をお金持ちにする方法
まず前提として押さえるべきなのは「世の中の人、全員がお金持ちになることはできない」ということです。定義上、お金持ちというのは「相対的」なものです。「AさんはBさんよりもお金を多く持っている(=お金持ち)」ということはできますが、全員が同時にお金持ちになることはありません。日本人全員が1億円を手に入れたとしても、それは「全員がお金持ち」ということではなく「日本人の資産水準が上がった」に過ぎません。
だから、お金持ちになるためには、何かしら競争で勝って、他人よりもお金を多く稼いだり貯めたりする必要があります。競争があるかぎり、勝者も敗者も出てきますから、我が子を「100%確実にお金持ちする方法」というのはありません。
お金持ちになるための「サクセスストーリー」は3パターン
その代わり、お金持ちになるための「サクセスストーリー」には、割とお決まりのパターンがあります。このサクセスストーリーを若い頃から教え込んでおけば、自立した後に、そこそこの資産家にはなれると思います。中原は、このサクセスストーリーを次のようにまとめて、後輩や弟に伝えてきました。同じことを、これから娘にも伝えるつもりです。
(1) 仕事でたっぷり稼ぎたいなら、自分が好きで、周りよりも得意で、かつ多くの収入につなげられる仕事をしなさい(最高の仕事を見つけたいなら、自分が好きなこと、周りよりも得意なこと、一生を費やしてでも極めたいこと、そして、自分の「好き」や「得意」で稼ぐキャリアパスを、できるかぎり若いうちに見つけなさい)。
(2) 財産を築きたいなら、時間やお金をムダに浪費せず、タイムパフォーマンスやコスパの高い使い方を考え、「短時間で質の高い財産を見分け、そして安く手に入れる」ことが大切です。このことを決して忘れてはいけません。
(3) 最高の仕事や投資先は、社会から強く求められていて、かつ、供給が足りていない「ボトルネック」の解消に関わっていることが多いです。
なお、以上3つの原則には、それぞれモチーフがあります。(1)は、偉大な企業とそうでない企業の違いを研究したジム・コリンズ氏が提唱した「ハリネズミの概念」がモチーフです。
また(2)は、割安な株を買って大金持ちになった投資家、ベンジャミン・グレアム氏が提唱した「安全域」がモチーフです。
最後の(3)は、ビジネス小説の「ザ・ゴール」を書いたエリヤフ・ゴールドラット博士が提唱した「制約理論」がモチーフです。
だいたいのビジネス書や投資本は、(1)~(3)のポイントを言い換えたに過ぎません。この3点を強く意識し、時間やお金を投じていれば、自然とお金持ちになれると中原は考えています。