Q. 成長投資枠を米国の個別株とS&P500でほぼ埋めました。今後も集中して米国に投資するのは、高リスクでしょうか?
「新NISAの成長投資枠で私は米国の個別株(タバコ株メイン)、奥さんは投資信託(S&P500)を買うことを決め、1月にほぼ埋めました。つみたて枠はゆっくり年内に埋める予定です。来年も同じようにしようと思いますが、高リスクでしょうか? 世帯年収は約800万円(本人年収400万円/妻年収400万円)、金融資産は3500万円(※)から4000万円くらいです。奥さんのへそくりは金額未確認です。住宅ローンはありますが、毎月低額なので金融資産から差し引いていません。団信があるので、ゆっくり期間ギリギリまでに返済予定です。いつかFIREしたいです」(ゴンチャロフ太郎さん/50歳/男性/正社員)※金融資産の内訳:現金預金500万円、リスク資産3000万円
米国に集中投資するのは危険?
A. 「投資先やリスク資産の割合などをみると、リスクを取り過ぎているように思います」(深野さん)
投資先が米国に一極集中していることや、金融資産3500万円のうち3000万円は、元本保証のない商品が占めていることなどを考えると、年齢的にもリスクを取り過ぎています。いつかFIREしたいのであれば、まず住宅ローンを返すことです。一括返済または月々の返済額を増やすなどしたうえで、浮いたお金を投資に回すようにした方がいいと思います。住宅ローンがある分、投資に回すお金も減ってしまうわけですから。夫婦共に正社員で働いているのであれば、大丈夫といえば大丈夫かもしれませんが、これからのことを考えるのであれば、もう少しリスク資産を減らすことも検討してみてください。50代ですので、できればリスク資産6割、現預金4割くらいにとどめておくのが理想的です。
今後の米国経済の状況によっては、想定外の損失を被る可能性もあります。そういった場合に、心の準備ができていればよいのですが、「こんなにリスクを取っているとは思わなかった」と後の祭りになる可能性があるならば、これからつみたて投資枠で買っていくものは、米国株以外のものにした方がいいと思います。
教えてくれたのは……深野 康彦さん
マネープランクリニックでもおなじみのベテランFPの1人。さまざまなメディアを通じて、家計管理の方法や投資の啓蒙などお金まわり全般に関する情報を発信しています。All About貯蓄・投資信託ガイドとしても活躍中。著作に『55歳からはじめる長い人生後半戦のお金の習慣』(明日香出版社)、『あなたの毎月分配型投資信託がいよいよ危ない!』(ダイヤモンド社)など
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