さまざまな問題に対して関心を持ち、社会貢献したいと思う人の中に、NPO法人での起業を検討する人が増えています。今回は、NPO法人とはどんな組織で、メリット・デメリットにはどんなことがあるのかを解説します。
NPO法人とはどんな組織なの?
NPO法人のNPOは「Non-Profit Organization」の略称で非営利団体のことをいいます。法人格を取得すると「特定非営利活動法人」となります。「NPO法人」とは、政府や企業などではできない社会的な問題に、営利を目的とせずに取り組む民間組織(民間非営利団体)です。NPOの事業は、収益を目的とすることは認められますが、事業で得た収益は、様々な社会貢献活動に充てることになります。
営利目的の株式会社などとは異なり、ボランティア活動によく似た活動を行う法人をイメージするとよいでしょう。
NPO法人を設立するための条件とは?
NPO法人の設立するための条件の主なものは、「設立に当たっては役員3名以上、監事1人以上、社員10名以上が必要」や、「特定非営利活動を目的とする」などがあります。特定非営利活動には、画像の20分野が指定されており、いずれかの活動に該当しないと特定非営利活動とはみなされません。
【NPO法人として認められる特定非営利活動とは】
NPO法人を設立のメリット2つ
NPO法人を設立して活動するメリットは、以下の2つがあります。●NPO法人を設立するメリット1:社会貢献に集中できる環境を整えられる
社会貢献として活動するときはNPO法人をわざわざ作らなくても、「ボランティア団体」で活動する方法があります。ただ、ボランティア団体の場合、給料が発生しないため、会社に働き収入を得ながら活動する必要があります。
その点、NPO法人は、利益が出ても関係者で分け合うことができませんが、役員や社員は給料を得ることが認められています。そのため、NPO法人を設立した方が、想いを共有する人を集め、給料を支払いながら、活動を続けることができるでしょう。
●NPO法人を設立するメリット2:社会的信用度が高い
NPO法人を設立には、さまざまな書類を所轄庁に提出して、厳しい審査を受ける必要があります。またNPO法人設立後は、事業報告書などの書類を所轄庁に提出することが義務付けられています。さらに、提出した書類は一般の人々も閲覧できます。このように、NPO法人の活動は多くの人々に公開され、認められている組織として、社会的評価が得られます。
NPO法人を設立のデメリット2つ
NPO法人を設立して活動するデメリットは、以下の2つがあります。●NPO法人を設立するデメリット1:設立手続きが煩雑で時間がかかる
NPO法人を設立するにあたって、多くの書類を作成して、所轄庁に提出する必要があります。提出後は、所轄庁の担当者による厳しい認証をクリアしなければなりません。
書類作成だけでも相当な時間と労力を要しますが、書類提出後、所轄庁の認証が下りるまで最低でも3カ月を要します。
●NPO法人を設立するデメリット2:NPO法人は税務申告を行う必要がある
NPO法人は非営利団体ですが、事業所得がある場合は、株式会社と同じ税務申告が必要です。ただし、会費や寄付補助金などの収入は非課税となります。なお、収益事業を行っていないNPO法人には、税務申告は発生しません。
まとめ
NPO法人を設立するにあたっての書類作成や手続きは、行政書士などの専門家に依頼すれば10万~20万円ほどの手数料がかかります。NPO法人の設立をお考えの方は、まずは所轄庁で、必要な書類などの確認を行いましょう。