人間関係

マルハラ配慮は「。」が怖い若者への媚びではない。47歳が職場観察で気づいた「老害」の特徴(2ページ目)

20代から30代の若手社員と、50代以上のベテラン社員が半々いるというアンバランスな職場のなかで、唯一の40代として存在しているアラフィフ女性は、職場の人間関係を「観察のしがいがある」と語る。年齢問わず「老害」化する人にも共通点があるようだ。

亀山 早苗

執筆者:亀山 早苗

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常に「今」を考えることが大事

過去が長くなるにつれ、人はそこにそこはかとない郷愁を抱いてしまうのかもしれない。だが、60歳であろうが30歳であろうが、生きているのは「今」という時代。

「だから常に今を見つめて、先を考える先輩は敬意を抱かれていると思います。やはり同じ部署のベテランTさんはとても穏やかな人ですが、部下が理不尽に上層部に怒られたりすると熱くなって庇ってくれる。『今とこれからは、彼らにかかっている。潰すような真似をするな』と役員に激怒したという噂があって、誰かが本当なのかと尋ねたら照れ笑いを浮かべていました。そこがまたかわいいと若手女性社員からキャーキャー言われてましたよ」

Tさんはいつでも「今」を大事にしている。過去にはとらわれていない。そして先を見すえている。ベテランならではの慧眼も有している。

「ベテランの過去がどんなに栄光に満ちたものでも、それが今につながっているなら聞く価値はあるけど、そうでない場合はただの自慢話にしかならない。それを当事者が意識しているかどうかですよね」

50代が過去の人々と「同じ沼」に落ちる不思議

50代社員だって、自分が20代のころは自慢話をするベテランに辟易としたことがあるはず。なのにどうしてベテランになると、過去の人たちと同じ自慢話の沼に落ちるのか。サトエさんはそれが不思議だという。

「年をとると自分の存在感を示すためには過去の話をするしかないということなんでしょうか。それは悲しいですよね。ささやかなことでも、今できる最大限のアイデアを出すとか先のことを考えて提言するとか、できるはずなのにと思います」

そうは言っても、私自身が「老害」と思われている可能性もありますけどね、とサトエさんは自虐的に笑った。ある程度の年齢になると、こういう自虐を交えないといけなくなるのも、なにやらせつないことではある。
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