50代になり60~65歳までの10~15年でまとまった老後資金を貯めるとなれば「先取り貯蓄」で強制的に貯めるのが確実です。
先取り貯蓄とは、収入から生活費を支払った後の残ったお金を貯蓄に回すのではなく、先に貯蓄分を確保して、残ったお金で生活する方法です。家計の状況や目標によって変わりますが、先取り貯蓄の目安は手取り額の2~3割が理想とされています。
今回は、50代の貯蓄割合がどのくらいか、確認してみましょう。
50代の年間手取り収入からの貯蓄割合は?
金融広報中央委員会による「2022(令和4)年 家計の金融行動に関する世論調査」では、単身世帯・二人以上世帯ごとに、年間手取り収入(臨時収入含む)からの貯蓄割合がまとめられています。50代の貯蓄割合を世帯別にみてみましょう。●50代単身世帯の貯蓄割合
・5%未満:7.7%
・5~10%未満:10.9%
・10~15%未満:15.4%
・15~20%未満:1.8%
・20~25%未満:7.2%
・25~30%未満:0.5%
・30~35%未満:5.0%
・35%以上:12.7%
・貯蓄しなかった:38.9%
50代単身世帯の中で一番割合が高いのは、「貯蓄しなかった」の「38.9%」。次いで、10~15%の「15.4%」です。
先取り貯蓄の目安である2~3割は「7.7%」ですが、それよりも多い3割以上は「17.7%」となっています。ご参考として、単身世帯の平均は「13%」です。
●50代二人以上世帯の貯蓄割合
・5%未満:7%
・5~10%未満:15.1%
・10~15%未満:22.7%
・15~20%未満:4.7%
・20~25%未満:9.6%
・25~30%未満:1.2%
・30~35%未満:5.6%
・35%以上:8.7%
・貯蓄しなかった:25.6%
50代二人以上世帯の中で一番割合が高いのは、「貯蓄しなかった」の「25.6%」。次いで、10~15%の「22.7%」です。
先取り貯蓄の目安である2~3割は「10.8%」ですが、それよりも多い3割以上は「14.3%」となっています。ご参考として、平均は単身世帯と同じ「13%」です。
単身世帯も二人以上世帯も共通して「貯蓄しなかった」が一番多いという結果ですが、手取り額の2割以上を貯蓄している割合が、単身世帯で「25.4%」、二人以上世帯で「25.1%」ですから、4世帯に1世帯は貯蓄に取り組んでいることがわかります。
まとめ
50代は、子どもの教育資金がまだ必要な場合があったり、住宅ローンの支払いがあったりなど、個々にさまざまな事情があり、老後資金が心配でも貯蓄なんてムリ、と思っている方もいるかもしれません。そんな方は、理想の2~3割でなく、1割だけでも老後のための先取り貯蓄をしましょう。
先取り貯蓄は、一度始めれば習慣化されます。貯蓄後の残ったお金でのやり繰りも工夫が生まれるでしょう。先取り貯蓄で、自分のお金を賢く管理しましょう。