貯蓄

個人投資家が資産運用で失敗する三大要因

今回は、個人投資家が資産運用で失敗する三大要因について、筆者の経験談を交えつつ共有します。筆者も資産運用でよく失敗します。失敗の数は人一倍多いですから「反面教師」として役に立てるでしょう。

中原 良太

執筆者:中原 良太

エビデンスに基づく資産活用&マネープランガイド

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新しいNISAが始まり、個人投資家の人口も増えてきました。そんな中、「失敗したくないから、もっと資産運用の失敗を避けるヒントを教えてほしい!」という質問をいただきました。

筆者も資産運用でよく失敗するので、偉そうなことは言えた立場ではありません。とはいえ、失敗の数は人一倍多いですから、「反面教師」として役に立てるでしょう。

そこで今回は、個人投資家が資産運用で失敗する三大要因について、筆者の経験談を交えつつ共有します。

個人が資産運用で失敗する三大要因って?

ずばり、個人投資家が資産運用で失敗する三大要因は「好きな金融商品を過大評価すること」「人気が出たときに慌てて高値で買うこと」「間違いを認められず塩漬けすること」です。
 

その1 「好きな金融商品を過大評価すること」

個人投資家が資産運用で失敗する三大要因の1つ目が「好きな金融商品を過大評価すること」です。

あなたには「好きな会社」や「ブランド」がありますか?

僕にはあります。たとえば、僕は子どもの頃からテレビゲームが大好きです。スーパーマリオやドンキーコング、弟とさまざまなゲームで遊びました。だから、任天堂の大ファンです。

ファンだからこそ、任天堂がどれだけ「プレイヤーを楽しませる」ことに長けているか、そのすごさが分かります。そして、好きだからこそ、そんな「すごい任天堂の株を買えば、きっと成功できるに違いない!」と無意識に感じてしまいます。

投資に限らず「好きなことには高いお金でも払ってしまう」のが人間の性です。車が好きな人はコスパが悪くても高くて良い車を買おうとするし、アイドルが好きな人は推しを応援するためにたくさんのグッズを買おうとします。

好き嫌いがあることは悪いことではありません。しかし、好き嫌いを理由に投資先のことを「過大評価」してしまうのはよくありません。投資先を過大評価してしまうと、それこそ株割高なときにも買ってしまうリスクがあるからです。

高値で買わないためには、いちど頭をリセットして「仮に自分がこの金融商品のことを知らず、好きでもなかったとしても、今の値段で買うか?」と自問してみるとよいでしょう。
 

その2 「人気が出たときに慌てて高値で買うこと」

個人投資家が資産運用で失敗する三大要因の2つ目が「人気が出たときに慌てて高値で買うこと」です。

多少、値段が高くて予算オーバーでも、テレビ番組などで特集された「人気レストラン」とかには行きたくなりますよね。人気だから急いで予約を取って、自分の席を確保したくなるのです。

それと似たような理由で、資産運用でも気になっていた投資商品が人気になり、買う前に値上がりすると「早く買わなきゃ!」と慌ててしまうことがあります。

投資商品の場合は急がないとどんどん値上がりしてしまう可能性があるので、「いますぐ買わないと、もっと値上がりしちゃう!」と怖くなって、予算オーバーなのに急いで買ってしまうこともあります。

しかし、こうやって焦って決めた取引はたいていうまくいきません。ただでさえ「好きだから」という理由で過大評価していた投資商品が、かなり割高なときとかに買った場合は、ひどく損をすることになります。

投資商品を急いで買いたい衝動に駆られても、いちど立ち止まって「どうして、いますぐ買う必要があるのだろうか? もう少し、値動きが落ち着いてからでも遅くないんじゃないだろうか? あるいは、もう上がってしまったから、見送ったほうがいいんじゃないだろうか?」と考え直してみるとよいでしょう。
 

その3 「間違いを認められず塩漬けすること」

個人投資家が資産運用で失敗する三大要因の3つ目が「間違いを認められず塩漬けすること」です。

塩漬けというのは、儲かる根拠もなく損をした金融商品を持ち続けることです。野菜などを漬け物にするのと似ていることから、塩漬けと呼ばれています。

割高な金融商品を買うと、多くの場合は損をします。しかし、「自分が間違えていたから損をしたのだ」と、自分の非を認めるのは苦痛が伴います。

だから、多くの方は「値下がりしたのは景気が悪いせいだ。景気が戻れば価格も戻る」などのように、損をした理由を他人になすりつけて、損を認めず、ほとぼりが冷めるのを待とうとします。

金融商品がふたたび割高水準まで上がることは望み薄なので、多くの場合は、この「粘り」は時間のムダに終わります。そして、割高な金融商品を買ってお金を損するだけでなく、間違いを認められないことで時間も損してしまうのです。

こういう失敗をしないためには、金銭的な損得はいったん忘れて、「まっさらな状態でも、その金融商品を持ち続けるのが得だろうか?」と考え直すとよいでしょう。

まとめ

要点をまとめると、個人投資家が資産運用で失敗する三大要因は以下の通りです。
◯好きな金融商品を過大評価すること
◯人気が出たときに慌てて高値で買うこと
◯間違いを認められず塩漬けすること


この3つが「組み合わさる」と、ひどく痛い目に遭います。

つまり、「自分が大好きで過大評価している金融商品」が「人気が出たときに高値で買い」、価格が下がって間違いが明らかになっても「間違いを認められず塩漬けする」と、お金と時間の多くを失ってしまうでしょう。

これらの3つは、いずれも筆者が実際に犯した失敗でもあります。この記事を読むかぎりは「他人の失敗」なので避けるのはカンタンそうに見えるでしょうが、いざ自分ごととなると、意外と失敗に気づけないですからお気をつけください。

「私は大丈夫! あなたみたいなヘマはしないよ!」と考えている人ほど危ないですから、資産運用がうまくいっていないときは、本記事でお伝えした3点をチェックリスト代わりにお役立ていただけたら幸いです。
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