バイト先の上司と……ピカピカの指輪に闘争心
「初めて大人の恋愛をしたときから、なぜかずっと不倫なんですよね」そう苦笑するのはミエさん(34歳)だ。学生時代、アルバイト先の上司と不倫関係になった。彼はピカピカ光る結婚指輪をしていた。
「当時、私も結婚する気なんてまだなかった。でもピカピカの結婚指輪を見たとき、惹かれていた彼の心をこちらに向かせたいと妙な闘争心がわいたのは事実です。結婚して半年の彼には若干、結婚後のマリッジブルーがあったのかもしれない。結婚しなければ、きみともっと自由につきあえたのに、結婚後にこんな出会いがあるなんてと嘆いていました。私にとっては、正直言ってそういう言葉が心地よかった」
求められている感覚を、ミエさんは情熱的な恋だと思い込んだ。ただ、奪っている優越感を覚えながらも、ピカピカ光る結婚指輪を憎らしいとも思っていた。
「本能的に深入りはしちゃいけないと思っていた。だからバイトをやめるタイミングで、彼とももう付き合わないと決めました。ちょうどそのころ、彼の妻は妊娠したようです。なんだ、私に愛をささやきながら妻ともしてたのねと大人のずるさを見た気になりました」
職場不倫で……自称「愛妻家」も指輪をしていた
不倫なんて何にもいいことはない。そう強く感じたはずなのに、就職した先でまた既婚の上司と恋に落ちた。「この人も指輪をしていました。自他ともに認める愛妻家だったんですって。いつも『僕はこれで縛られているから』と指輪を見せていた。でも恋はするんですよね。この上司とは2年続いて奥さんにもバレました。最後は奥さんに呼ばれて『今すぐやめないと慰謝料を請求するから。あなたは知らないだろうけど、うちの夫は今までも何度も不倫してるの。私だって慰謝料請求は初めてじゃないのよ。若いんだから自分の幸せを考えたほうがいい』と説教までされて……」
ただ、愛妻家というのは嘘ではなかったようで、妻は「誰にでも優しいということよ」と最後は自嘲的に言ったという。
>「習慣」か「意図的」かは一概にはいえない