普段何気なくやっている、私たちの「冬の暮らし」に潜む危険をご紹介します。
フリースを着たままガスコンロでの調理はNG
冒頭で触れたように、SNSで「フリースを着て料理をしていたら服に火が付いた!」という投稿が話題になっています。これは「着衣着火」といって、着ている衣類に火が付くことをいいます。2023年12月15日に放送されたNHKのニュースによると、2022年の間に101人が着衣着火で命を落としたそうです。決して少ない数の事故ではないですね。着衣着火しやすい素材は化学繊維が挙げられますが、天然素材のものも決して火が付かないわけではありません。むしろ気をつけたいのは服の形状。ガスコンロの火に近い袖口やお腹周りがフワフワやモフモフしているとちょっとしたことで火が付いてしまいます。
これはガスコンロだけでなく、お仏壇のろうそくや焚き火などでも同様です。キャンプのときに防寒のためマフラーをしている人も、火に近づくと危険です。安全を期すには、防炎素材のエプロンやアームカバーをつけて調理をしたり、火元に近づくときは袖をまくったり、姿勢を変えることで垂れやすいものを身につけないなど、もう一度服装をチェックすることを心がけましょう。
ストーブの上にやかんはNG
ストーブの上にやかんがある風景は、昭和の時代によく見かけたものです。ストーブの熱で室内が乾燥するため、やかんを置いて蒸気を出し、加湿することが目的でした。しかし、「ストーブの上のやかん」にも危険が潜んでいるのです。こちらも2023年11月、富士ホーローのX(旧Twitter)公式アカウントから情報発信され話題となりました。
理由として以下のことが挙げられています。ホーロー製のケトル・やかん・ポットをストーブの上には絶対に乗せないでください。メーカーとして推奨しておりません。(富士ホーローのポストより)
ホーロー製のやかん以外でも、吹きこぼれたときの危険は同じなので避けたほうがいいですね。ストーブを使うときは、一緒に加湿器を運転させるというのが安全な方法でしょう。・水が蒸発した状態でストーブの上に乗せ続けると空焚き状態になり、ひび割れ・剥離の原因になります。
・また、空焚きの状態で水を入れたりシンクに置いてしまうと、こちらもヒートショック(温度差による急冷)によりひび割れ・剝離の原因になります。
・万が一お湯が吹きこぼれた場合、ガスコンロと違い自動消火機能がないため、ストーブが不完全燃焼状態となり有毒ガスが発生する場合があります。
・ストーブ本体・ケトル等が転倒し、火傷などケガをする可能性があります。(富士ホーローのポストより)
ストーブの上に洗濯物を干すのはNG
洗濯物が乾きづらく、また室内が乾燥しやすい冬には、ストーブの上で洗濯物を乾かしたくなりますが、これも危険です。2023年12月5日に北海道で起きた火災は、室内で干していた洗濯物がストーブの上に落ちたことが原因でした。ストーブの真上でなく少し横へずらして干していたとしても、人が動いた拍子に洗濯物がストーブの上に落ちるということも考えられます。ストーブをつけた状態で洗濯物を室内干しする場合は、十分に距離を置いた場所で干すようにしましょう。
暮らしの中で今まで何気なくやっていたことも、たまたま運よく事故にならなかっただけで、実は危険が潜んでいるということが多くあります。今回ご紹介したことを参考に、身のまわりをもう一度点検し、安全に暮らせるよう心がけましょう。