理由は、エラーコインであること。今回高額となった1円玉は平成18年と、割と最近発行された現行貨幣です。平成18年発行の1円玉は1億2959万4千枚発行されています。1人1枚は持っていてもおかしくない平成18年の1円玉。いったいどんなエラーコインなのでしょうか? また、新しい現行貨幣ほど高額となりうるその理由とはいったい何でしょうか?
超珍しい! 平成18年発行の二重打エラーコイン
「1円」が「65万円」に。(画像:日本コインオークションより)
円形でもなくなっている珍しい1円玉(画像:日本コインオークションより)
しかも、コイン鑑定機関であるPCGSの鑑定による「MS64」評価がついています。64評価とは、いわゆる未使用評価のもの。多少流通した可能性はあるものの、美しさを保った未使用品です。
比較的最近かつ発行数も多い平成18年の1円玉であれば、未使用品はもちろんのこと、完全未使用品も探せば多くあることでしょう。しかしながら、こうした二重打刻かつ未使用品となるとなかなかあるものではありません。
しかも、エラーコインは新しいものほど見つけるのが難しくなります。これは硬貨の製造技術が昔に比べて格段に向上しており、エラーコインが製造されにくいこと、仮にエラーコインができたとしても造幣局の検査ではじかれて市場には流通しないケースが多いためです。
平成の新しい1円玉のエラーであること、しかもMS64評価がついていること、PCGSが鑑定して「Mint Error」との認定があり偽造ではないこと、このような複合的な理由から高値が付いたと考えられます。
少しでも変だと思ったらエラーの可能性が
こうしたエラーコインは、非常に分かりやすいため、人手にわたる前に知っている人が収集する可能性があり、なかなか出回らないかもしれません。しかしながら、偶然にもおつりで目にするといったこともゼロではありません。未使用は難しくても、流通品の中から偶然エラーコインを見つけることは誰にでもあるチャンスです。宝くじと同じで大切なのは運の良さ。コストがかからない、損失が発生しないのは宝くじとは異なる利点です。購入する場合は別ですが、偶然転がり込んでくるのはご自身の運といえます。キャッシュレス決済が普及し、硬貨を持つ機会も減ってきてはいるものの、おつりをもらったらぜひ確認する癖をつけ、エラーコインを探してみてくださいね。
<参考>
第58回日本コインオークション 日本 日本銭 1円アルミ貨 平成18年(2006)二重打エラー 02-13 PCGS MS64(46603143)Mint Error D/S・2nd Strike 90% o/c