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現行の1円玉が「65万円」に大化け! 平成18年の新しいコインが「65万倍」になったカラクリとは

2023年12月9日に開催された、第58回日本コインオークションから、1円玉の落札結果を取り上げます。いったいいくらになったのか、そしてなぜ高い金額が付いたのか解説していきます。新しい現行貨幣ほど高額となりうるその理由とはいったい何でしょうか?

伊藤 亮太

執筆者:伊藤 亮太

株式・ファイナンシャルプランナーガイド

2023年12月9日に開催された、第58回日本コインオークションで、現行の1円玉が高額落札されました。金貨でも銀貨でもありません。普段使っている1円玉であり、探せばもしかしたら見つかる可能性もある、そんな1円玉になんと65万円という驚愕の値段が付いたのです。

理由は、エラーコインであること。今回高額となった1円玉は平成18年と、割と最近発行された現行貨幣です。平成18年発行の1円玉は1億2959万4千枚発行されています。1人1枚は持っていてもおかしくない平成18年の1円玉。いったいどんなエラーコインなのでしょうか? また、新しい現行貨幣ほど高額となりうるその理由とはいったい何でしょうか?
 

超珍しい! 平成18年発行の二重打エラーコイン

65万円になった1円玉。

「1円」が「65万円」に。(画像:日本コインオークションより)

65万円になった1円玉

円形でもなくなっている珍しい1円玉(画像:日本コインオークションより)

実際にオークションに出品された平成18年発行の1円玉を見てみると、くっきりと鮮明に二重に打刻されているのが分かります。普通の1円玉よりも二重に打刻されている部分がはみ出ており、明らかにエラーと分かる代物です。

しかも、コイン鑑定機関であるPCGSの鑑定による「MS64」評価がついています。64評価とは、いわゆる未使用評価のもの。多少流通した可能性はあるものの、美しさを保った未使用品です。

比較的最近かつ発行数も多い平成18年の1円玉であれば、未使用品はもちろんのこと、完全未使用品も探せば多くあることでしょう。しかしながら、こうした二重打刻かつ未使用品となるとなかなかあるものではありません。

しかも、エラーコインは新しいものほど見つけるのが難しくなります。これは硬貨の製造技術が昔に比べて格段に向上しており、エラーコインが製造されにくいこと、仮にエラーコインができたとしても造幣局の検査ではじかれて市場には流通しないケースが多いためです。

平成の新しい1円玉のエラーであること、しかもMS64評価がついていること、PCGSが鑑定して「Mint Error」との認定があり偽造ではないこと、このような複合的な理由から高値が付いたと考えられます。
 

少しでも変だと思ったらエラーの可能性が

こうしたエラーコインは、非常に分かりやすいため、人手にわたる前に知っている人が収集する可能性があり、なかなか出回らないかもしれません。しかしながら、偶然にもおつりで目にするといったこともゼロではありません。未使用は難しくても、流通品の中から偶然エラーコインを見つけることは誰にでもあるチャンスです。

宝くじと同じで大切なのは運の良さ。コストがかからない、損失が発生しないのは宝くじとは異なる利点です。購入する場合は別ですが、偶然転がり込んでくるのはご自身の運といえます。キャッシュレス決済が普及し、硬貨を持つ機会も減ってきてはいるものの、おつりをもらったらぜひ確認する癖をつけ、エラーコインを探してみてくださいね。

<参考>
第58回日本コインオークション 日本 日本銭 1円アルミ貨 平成18年(2006)二重打エラー 02-13 PCGS MS64(46603143)Mint Error D/S・2nd Strike 90% o/c
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