次の海外旅行は、アジア旅行の新スタイル「アジア周遊クルーズ」へ出かけてみませんか? 船なら手軽に10日間で6カ国周遊なんて旅も可能です。移動、ホテル、食事、船内アクティビティ全て込みで、往復の航空券を含めても、お得に旅ができますよ(価格は後半で発表!)。 今回は「ノルウェージャン・ジュエル」のアジアクルーズ乗船取材を通じて、その魅力と準備すべきポイント、注意点まで、クルーズコンサルタントの筆者が紹介します。
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なぜ今、アジアクルーズ? 10日間で6カ国、どこをまわるの?ノルウェージャン・ジュエルで行く! アジア周遊クルーズレポ
DAY1~DAY5までレポート。台湾へはLCCで!
【入国審査について】【両替について】【下船後について】
アジア周遊クルーズの魅力&心得まとめ
ノルウェージャンクルーズで行くアジアクルーズ、気になるお値段は?
なぜ今、アジアクルーズ? 10日間で6カ国、どこをまわるの?
為替や燃料高などの影響で、コロナ後の海外旅行は近場のアジアが人気。どうせアジアに行くのなら、新しいスタイルの「クルーズ」で巡ってみてはいかが? 10日間で6カ国周遊など、飛行機では難しい行程も、船ならベッドに寝たまま次の港へアクセスできます。また、日本発着クルーズは手軽ですが、寄港地がワンパターンになりがち。発着地を日本以外にすることで、寄港地の楽しみは格段にあがります。
今回乗船したクルーズは、台湾発、シンガポール着のノルウェージャン・ジュエルで行く10日間のクルーズ。台湾、フィリピン、ベトナム、マレーシア、ブルネイ、シンガポールの6カ国へ寄港する夢のようなクルーズです。
取材乗船したのは、台湾の基隆(キールン:台北近郊の港)から乗船し、フィリピンのマニラ下船の3泊4日。高雄(台湾)、クリマオ(フィリピン)にも寄港する欲張りクルーズの、前後の模様もあわせてレポートします。
ノルウェージャン・ジュエルで行く! アジア周遊クルーズレポ
今回はイメージしやすいように時系列で渡航先の様子や押さえておきたいポイントをご紹介。乗船したクルーズ船「ノルウェー・ジャンジュエル」の詳細は、こちらのノルウェージャン・ジュエルってどんな船?をご覧ください。<DAY1>出航する台湾へ。LCCで前日に到着
今回は関西空港からLCCのPeach(ピーチ)で向かいました。台北までは大阪からなら3時間20分、東京からなら約4時間です。飛行機は、スーツケース1個の預け入れ、座席指定、変更、キャンセル可能なオプション付きで諸税込み2万8000円ほどでした。 国際線の航空券は片道だと割高になるので、入出港が同じ国のクルーズを選ぶか、異なる場合はLCCや貯めたマイルを使うのがおすすめ。ちなみに帰りのフィリピン(マニラ)から日本へ帰国する航空券はJALマイルを利用しました(1万マイル!)。また、飛行機が遅延するリスクなどを考えると、現地へは出航日の前日には入るように計画をして、観光などを楽しむのがいいでしょう。
<DAY2>クルーズ1日目~高雄(基隆)から乗船
ホテルのある台北から港のある基隆(キールン)までは、鉄道で30分ほど。ノルウェージャン・ジュエルには送迎オプション(有料)もあるので利用をするのもいいですね。荷物があること、クルーズが3泊4日と短いので、今回は基隆で観光はせず、そのまま船へ。船内で利用できるアプリのダウンロードと両替をして乗り込みました。 出航前の避難訓練も、ノルウェージャン・ジュエルの場合は、ビデオを見て定められた避難スポットへ行きクルーズカードをチェックするだけでOK。バルコニーや甲板から街を眺めつつ、陽が落ちたら出航です。<DAY3>クルーズ2日目~高雄(台湾)へ寄港
朝食を食べていると高雄(台湾)の港に船がちょうど入るところでした。その景色たるや素晴らしいのひとこと。 高雄の観光は、船主催のオプショナルツアーを利用しました。ちょっと想定外だったのが、6時間のツアーのうち4時間ほどがバス移動だったこと。船主催のツアーは最初に下船でき、交通事情などで遅れても出航を待ってくれるなど安心感があります。ただかなり遠くまで行くツアーもあるので、選択は吟味が必要そうです。 【入国審査について】夜には、翌朝のフィリピン入国のための審査が対面でありました。コロナ禍を経てWeb上で申告が必要だったり、国籍によってはビザが必要だったり、乗客側の書類不備もあったりで時間通り手続きが進まず大混雑する場面も。寄港地が多いと出入国の手続きが多いということは頭に入れておくといいでしょう(※対面ではなく船側の手続きで入国審査が終わる国も。この場合はとても楽です)。
<DAY4>クルーズ3日目~クリマオ(フィリピン)へ寄港
出発前に、フィリピンの「クリマオ」について調べると、ルソン島の北西部であることは分かるものの、観光情報は見つけられず。困ってフィリピンの政府観光省へ電話をすると、親切に教えてくれました。 フィリピンにある世界遺産のうち2つが、クリマオからアクセスできるとのこと。首都マニラからは400キロ、バスで10時間以上かかるといい、「この機会を逃したらまず行かない場所だ」ということが判明。アドバイスに従い、今回は16世紀のスペイン統治時代につくられた町並みがそのまま残る街自体が世界遺産の「ビガンの歴史地区」へ、船の送迎バス(有料)を利用して訪れてみることに。馬車からの眺め。街を巡ってくれる(ノルウェージャン・ジュエルのアジア周遊クルーズ)
【両替について】
台湾ドルへは両替をしていたものの、フィリピンのペソへはしておらず。船内では両替サービスはなく、港では団体行動で時間がありませんでした。そのためビガンに到着した時には、現地通貨を持っていない状態! なんとか商店の一角でレートの良し悪しを考える余裕もないまま最低限の額を両替。クルーズでは両替のタイミングが逃すことがあるので、周遊クルーズで多くの国をまわる場合は、各国の通貨を少しずつ準備しておくと安心です。
<DAY5>クルーズ下船日~マニラ(フィリピン)観光後日本へ
フィリピン・マニラへ到着し、本来ならこのまま夕方にはフィリピンのボラカイへ向けて出港するノルウェージャン・ジュエル。残念ながら私はここで下船。 船が到着したのはマニラ湾のイントラムロスのすぐ近く。今回は取材ということで特別にスーツケースを船に預け観光へ。 クルーズの3泊4日はあっという間。このまま乗って行きたいと後ろ髪をひかれながら船を後に空港へと向かい、深夜便で帰国の途に就きました。【下船後の観光はどうする?】
フィリピンに限らず、下船後の予定は考えておきましょう。すぐに帰国する場合は空港まで船の送迎サービス(有料)もあります。観光をする場合は、スーツケースがあるため、ホテルに1泊したりデイサービスを利用したり。観光タクシーをチャーターして、観光後に空港で下車する手もあります。
なお朝に入港しても、下船手続きに時間がかかることがあります。帰りの飛行機は十分すぎるぐらいに時間の余裕を持った時間帯にしましょう。
アジア周遊クルーズの魅力&心得まとめ
今回は3泊4日の区間クルーズでしたが、ノルウェージャン・ジュエルの船内も楽しく、プライスレスで刺激の多い濃密な旅となりました。10日間で6カ国を巡るとなると、特別な旅になることは間違いなし! クルーズなら寄港地で、荷物は船においたまま身軽に観光が楽しめるのもうれしいポイントです。 また今回のクリマオ(フィリピン)のように、通常の旅ではなかなか行けない場所へも、船旅だと手軽にアクセスできます。港の状況により、自分で観光する、ツアーに参加する、送迎だけ利用するなど上手にチョイスして寄港地を楽しみましょう。また寄港地が多い分、船内新聞には出入国の審査や必要書類など重要事項の記載が多くあります。基本は英語なので、話せなくても翻訳アプリを使いこなせるなどのスキルがあると安心です(ノルウェージャン・ジュエルでは、とても親切な日本人のインターナショナルスタッフもいらっしゃいます)。また各国の入出国の流れや必要書類は、自分でも調べておくと安心です。
ノルウェージャン・クルーズで行くアジア、気になるお値段は?
最後に気になるクルーズの価格ですが、今回紹介のコースに一番近い2024年2月出発のノルウェージャン・ジュエルの「アジア周遊クルーズ11日間(バンコク発台湾着)」は、11日間で6カ国10の港を寄港して1人あたり949米ドル(別途港湾税など約218米ドル)、トータルで約17万円ほどでした(2023年12月中旬執筆時)。宿泊、移動、食事、エンターテインメント全て込みのオールインクルーシブで、船内ではお財布の心配はいりません。乗降地への飛行機代が別途かかりますが、それでも海外旅行としては手ごろで手が届く範囲でしょう。(注)記事公開の1月には公式Webページでの販売は終了。乗船希望の場合はクルーズを取り扱う旅行会社などに相談をしてみてください。
また同じく2月には、台北・基隆(台湾)から出航し、花蓮(台湾)を経て、日本の石垣、那覇、奄美大島、高知、姫路、京都(大阪)、名古屋、富士山(清水)を寄港して東京で下船となる11日間クルーズが999米ドル(別途港湾税など約174米ドル)、諸税込みのトータルで約17万2000円(1ドル147円換算、別途チップ代など)。これならエアも台北への片道でOK、下船も国内なのでスムーズです。
他にもノルウェージャン・ジュエルでは春に日本発着クルーズも実施。クルーズが初めての方は、日本発着クルーズから始めるのもおすすめです。
販売状況や価格は日々変わりますので、詳細はノルウェージャンクルーズラインのWebサイト もしくは旅行会社に問い合わせをしてみてくださいね。 島国に住んでいながらクルーズを知らないのはもったいない! ぜひこの機会に検討をしてみてはいかが? なおノルウェージャンクルーズラインでは、春までは紹介したノルウェージャン・ジュエルが、秋からはノルウェージャン・スピリットが日本発着を含めアジアで航海を予定しています。
また、来年2025年1月には、ノルウェージャン・スカイが、今回紹介したコースと似たクルーズを実施します。台北(基隆)発シンガポール着の12日間で6カ国11の港へ寄港し1人あたり1679米ドル(別途港湾税など約244米ドル)。諸税込みのトータルで約28万円ほど(1ドル147円換算、別途チップ代などが必要)。参考に計画をしてみてくださいね。
■ノルウェージャンクルーズライン