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セカンドパートナーとは? 不倫と何が違うのか?
最近、セカンドパートナーという言葉をよく聞くが、これは7~8年前から使われている。当時は「友人以上不倫未満」と言われたり、「プラトニック不倫」と言われたりしていた。つまりは肉体関係を持たないパートナーシップだが、それ以上の規定があるわけではない。
【1】40歳主婦の場合「男友だちよりは濃い関係」
「セカンドパートナーという言い方を私はしませんが、周りから見ればそうなのかもしれません。単なる男友だちよりは濃い関係、だけど不倫はしたくないから恋愛感情は見せない。実際、恋愛感情があるかどうかはわかりませんね。お互いに既婚だから嫉妬なんてしないようにしているし」サクラさん(40歳)はそう言う。それでもたまに嫉妬の言葉を投げかけることもある。
「彼のSNSを見て、奥さんと仲良くしてるんだーなんて言ったりはしますが、スパイス的な嫉妬ですね。私自身、最優先は家庭なので、他の男と恋愛沙汰みたいな面倒なことにはなりたくない。夫もいい人だし」
恋愛感情は「ない。友だちより少し親密な関係」
結婚して8年、6歳の女の子がいる。夫は娘を溺愛しているし、共働きのサクラさんの体を気遣ってもくれる。夫とは穏やかに安定した家庭を作っていきたい。だが、人間関係で刺激もほしい。その刺激をくれるのがセカンドパートナーのリュウジさんなのだという。「リュウジとは学生時代からの友だちです。お互いにどんな恋愛をしてきたかも知ってるし、結婚したときもおめでとうと言い合った仲。恋愛関係になったことはまったくないのに、なぜか友だちより少しだけ親密な関係がずっと続いているんです。こういうのこそ腐れ縁というのではないかと言ったこともあるけど(笑)」
夫を心配させたくないために言えないことも、リュウジさんには言える。実際、彼女がコロナ禍で仕事を失いかけたとき、本音をさらして励ましてもらったのはリュウジさんだった。
「彼も、『妻には言えないんだけどさ』と相談を持ちかけてくることもあります。配偶者より長い付き合いだからこそ言えることもあるのかもしれません」
肉体的な接触は「一度もない。握手で別れる習慣」
1年の終わりには握手をして「またね」というのが習慣となっている。それ以外の肉体的接触は一度もない。「気持ちいいつきあいだと思っています。夫が知ったらどう思うかわからないけど、友だちだと言い張る自信はあります」
お互いに守るべきものがあるからこそ、最適な距離感でつきあっていけるとサクラさんは微笑んだ。
【2】39歳主婦の場合「キスまでは……」
一般的にセカンドパートナーとは肉体関係をもたないとされているが、「キスまではしている」と話してくれたのは、エミリさん(39歳)だ。結婚して7年経ち、ひとり息子は5歳になった。夫と仲が悪いわけではないが、息子が生まれてからは性的な関係がなくなった。
「だからセカンドパートナーがほしいと思ったわけではありません。それはまったく別の話で、偶然、元カレに会っちゃったんですよ。それでときどき食事をしたり飲みに行ったりするようになって。彼が性的な関係になりたいと言ったことはあります。でも、そういう関係を持ったらただの不倫って言われちゃうんだよ、と言ったら、『それもそうだよな』と。そういう関係を持たないままどこまで行けるかやってみようかという話になった。元カレだから20代のころはさんざんしていたわけで(笑)、今さらしなくてもいいかなと思ったんです」
夫にセカンドパートナーがいたら「不愉快に思う」
ただ、あるとき別れ際にエミリさんが急に彼を物陰に引きずり込んでキスしたことがあった。驚く彼の顔がうれしかった。「そのあたりは元カレだから気持ちが緩んでいるんですよね。キスくらい、どうってこないとも思ったし。その後は、軽いキス程度はしていますが、やはりそれ以上の関係にはなっていません」
夫にセカンドパートナーがいたら不愉快だと彼女は言う。そのあたりの正直さが興味深い。自分はいいが夫はダメということなのか。
「いや、私にとって元カレは生活を侵蝕してくるような存在ではないんです。それは元カレもわかっている。お互いに軽い関係でいようという共通認識がある。でももし夫にそういう女性がいたら、夫はまじめだからのめり込んでいくはず。結果、家庭を維持することもできなくなる。夫は恋したら一直線の人で不器用なんですよ。だから夫にそういう存在がいたらとても不快だし心配です」
セカンドパートナーの掟は「恋愛にしない、バレない」
確かにセカンドパートナーを持てるかどうかは、過去の恋愛経験によるところも大きいのかもしれない。遊びではないけど、家庭を崩壊させるような恋愛には発展させない、配偶者にバレるようなことはしない。それが掟とするなら、恋愛未満の感情をどうコントロールできるのかも重要になってくる。「だから夫には無理なんです。私は元カレとは今のところいい距離感でつきあえているけど、何かが起こってこのバランスが崩れたらさっさと逃げるつもり。家庭のほうが大事ですから」
エミリさんは余裕を感じさせる笑顔でそう言った。