猫の11歳以上は人間年齢の60~70代、体調に変化が見られる時期
猫が高齢猫というカテゴリーに入るのは11歳以上。人間年齢でいうところの60~70代に相当します。高齢になった猫は、毛繕いをしなくなり毛艶が悪くなってきたり、筋肉が落ちてくるので高い所に登らなくなったりします。しかし、猫の個体差もあるので、相変わらず活発な猫もいます。とはいえ、人間でも60~70代になれば、日常生活で気をつけることが増えます。高齢猫ということを意識して食事や住環境を相応に整えてあげましょう。以下では、それぞれ気をつけるポイントとかかるお金を紹介します。
高齢猫には消化器に負担をかけない「ウェットフード」を与えよう
猫に通称カリカリといわれる「ドライフード」を与えている方は多いのではないでしょうか。置き餌にして、猫が好きな時に少しずつ食べるには扱いやすいフードです。しかし、高齢猫になると、あごの力や歯が弱くなってくるなどが原因で、固形の食べ物が苦手になることもあります。消化のよい「ウェットフード」も与えるようにしましょう。ウェットフードは70~80%が水分でできているので、食事しながら水分も摂取できます。
ウェットフードは、ドライフードよりも費用がかかります。たとえば、1袋40gのウェットフードが80~100円が目安とすれば、1日2袋を与えれば160~200円、1カ月あたり4800~6000円になります。ウェットフードだけではカロリーが不足するので、ドライフードも補助として必要です。ドライフードの価格はさまざまですが、高齢猫の体に適したフードであれば、500gあたり2000円ほどのものが一般的です。そう考えると、高齢猫の1カ月あたりの食費は、8800~1万2000円ぐらいが目安といえます。
高齢猫は「冷え」が大敵! 室温管理、暖かい毛布、ペットカーペットを備えよう
高齢猫になると、筋肉が衰え、あまり動き回らなくなります。そうなると、血流が悪くなり体が「冷え」ます。慢性的な冷えは、内臓の働きを悪くする原因の1つなので、暖かい環境を作ってあげる必要があります。そのためには、冬などの寒い時期であればエアコンの室温設定を「22~27℃」ぐらいに管理しましょう。
外出時もエアコンは付けておいた方がよいですが「電気代が心配……」という方は、コタツのような囲まれたスペースを作ってあげて、湯たんぽや毛布、ペット用ホットカーペットなどを入れてあげましょう。
蓄熱充電式の湯たんぽであれば、1個あたりの価格は3000~4000円ほどです。ペット用ホットカーペットは大きさにもよりますが、1個あたりの価格は3000~5000円ほどです。
高齢猫の健康診断は年2回行い「病気」を早期発見しよう
高齢猫になってくると、加齢がもとで発症しやすくなる病気に気をつける必要があります。高齢猫がかかりやすい病気は、慢性腎不全や甲状腺機能亢進症、歯周病などがあります。これらの病気をいち早く見つけるには、半年ごとの健康診断を受けるのがおススメです。健康診断には、血液検査、尿検査、便検査、超音波検査、歯科検査などがあります。すべての検査を受けるとなれば、動物病院にもよりますが、トータルで2万~3万円ぐらいかかり、年2回となれば4万~6万円が必要になります。「費用が負担……」という方は、かかりつけの獣医師と相談しながら、高齢猫にあった受診項目の検査を行いましょう。