個人向け国債には3種類ある
「個人向け国債」とは、文字通り個人の人が購入できる国債です。種類は3つあり、1つは変動金利で10年満期の「変動10年」、残りの2つは固定金利で、満期までの期間が3年のものが「固定3年」、5年のものが「固定5年」になります。
それぞれの特徴を表にまとめたのでご覧ください。 いずれも、取り扱いのある証券会社や銀行で1万円から購入できます。個人向け国債は毎月発行され、発行ごとに、それぞれの金利が決まっています。そのため、購入するタイミングが異なると、同じ種類の個人向け国債でも、金利が異なることがあります。
国債ですので、一度購入して保有しつづけると、半年ごとに利子が受け取ることができ、満期時には元本(額面金額)が戻ってくる仕組みです。国が発行するので安全性の高い債券です。
購入から1年経過すれば、途中で売却することも可能です。その際は、元本から、直近2回分の利子(税引き前)相当額の8割程度の手数料が差し引かれます。
個人向け国債の金利の決まり方は?
個人向け国債の金利に上昇傾向がみられるとお話ししましたが、過去3年近くの推移をまとめたものが、次のグラフです。 グラフのように、個人向け国債の金利は、長らく最低金利の0.05%でしたが、変動10年は2022年あたりから、固定5年は2023年のはじめぐらいから、上昇の動きがあり、2023年9月から一時ぐんと上昇しました。とりわけ、変動10年は変動金利で半年ごとに金利が見直されるので、今後の金利上昇の恩恵を受けられるメリットがあるので魅力的です。
金利の計算方法は、前項の図表でご紹介していますが、それぞれ計算式の「基準金利」は同じものではなく、それぞれの基準金利が設定されています。
具体的には下の通りで、いずれも国債の複利利回り、または想定利回りが「基準金利」となっています。
●変動10年……10年固定利付国債の入札における平均落札価格をもとに計算される複利利回り
●固定5年……市場実勢利回りをもとに計算した期間5年の固定利付国債の想定利回り
●固定3年……市場実勢利回りをもとに計算した期間3年の固定利付国債の想定利回り
つまり、国債の利回りが上昇すれば、個人向け国債の金利が上昇するというわけです。
国債の利回りとは、利子のほかに、中途売買したときの額面金額と購入価格の差額も考慮したもの。
日本や海外の政策などの影響により、国債の利回りは変化します。今後、どのように国債の利回りが変化していくのかにも、注視してみてください。
記事協力:インタープレス