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10年定期預金金利がこれまでの倍の0.4%に
三菱UFJ銀行は9月2日から10年物のスーパー定期預金の金利をこれまでの倍である0.4%に引き上げました。今後は他の銀行も追従し、定期預金金利を引き上げるのではないかと思われます。0.4%の10年定期預金が登場しました
定期預金の利息は複利型が有利です
定期預金の利息には「単利型」と「複利型」がありますが「複利型」を選択する方が有利です。なぜならば「単利型」はもともとの元金にのみ利息がつくのに対し、「複利型」では利息にも利息がつくからです。単利計算では100万円を元金に金利0.4%で1年間預金すると、1年後には100万4000円となります。4000円は元金の100万円に対してついた利息です。複利計算の場合、翌年は利息である4000円も含めた金額(つまり100万4000円)を元金として再び金利0.4%で預けることになるため、100万8000円ではなく100万8016円になります。端数の16円は先ほどの利息の4000円についた利息です。このように利息にも利息がついていくため「複利型」の方が有利なのです。
100万円を金利0.4%で10年間預けたら利息はいくら?
それでは100万円を金利0.4%で複利型の定期預金に10年預けると利息はいくらになるのでしょうか。前項で説明したように複利型の定期預金では1年後の「元金+利息の額」を次の年の新たな元金として計算していきますので、以下になります(1年複利の場合)
●1年後:100万円(元金)+100万円×0.4%(利息)=100万4000円
●2年後:100万4000円(元金)+100万4000円×0.4%(利息)=100万8016円
●3年後:100万8016円(元金)+100万8016円×0.4%(利息)=101万2048円
↓↓↓
●9年後:103万2449円(元金)+103万2449円×0.4%(利息)=103万6578円
●10年後:103万6578円(元金)+103万6578円×0.4%(利息)=104万724円
100万円を金利0.4%で10年預けた場合、10年後の金額は合計で104万724円になります。うち100万円は最初の元金ですので、10年後の利息は4万724円になります。
なお満期時には、利息から20.315%(所得税15.315%:復興支援税含む、住民税5%)の税金8273円(4万724円×20.315%:1円未満切り捨て)が引かれますので、10年後の手取り利息は3万2451円となります。
途中で解約した場合の金利はどうなる?
定期預金に預け入れしたものの諸事情で途中解約した場合、金利はどうなるのでしょうか。定期預金は、普通預金と違い一定期間預け入れることを前提に金利を優遇しています。そのため途中解約した場合、適用されるのは当初定められた金利ではありません。例えば三菱UFJ銀行では、一部解約した場合であれば残額部分については当初定めた金利が適用されますが、解約した部分については「期限前解約利率」が適用されると定められています。
各行によって解約時の詳細は異なりますので、預け入れの際は確認しておくことをお勧めします。
使用予定のないお金は10年定期預金に預けた方がいい?
しばらく使う予定のないお金は10年定期預金に預けた方がよいのでしょうか。これについてはいろいろな角度からのご意見があるかと思いますが、筆者はその方の「リスク許容度」で考えるべきと思います。「老後が近い高齢者」や「10年後に決まった額が必要」などの理由でリスクを取れない方や、「絶対に元本を割りたくない」と考える方は定期預金に預けてよいかと思います。一方で「老後まで時間のある若い方」や「積極的に資産を形成したい」と考える方などリスクを取れる方は、定期預金ではなく2024年から始まった新NISA制度(少額投資非課税制度)を利用し、積極的な資産形成にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
なお定期預金は投資商品ではないため、NISA制度、新NISA制度を利用しての預け入れはできません。
まとめ
いかがでしたでしょうか。今回は定期預金の金利が引き上げられたことを踏まえ、金利0.4%の定期預金に10年間預けた際の利息額や、預け入れるべきかどうかの考え方を解説してみました。メガバンクである三菱UFJ銀行が金利を引き上げたことで、他の銀行も金利を引き上げることが予想されます。少しでも有利な条件で資産を形成できるよう、常にアンテナを張っておくことをお勧めいたします。
〈参考〉
・三菱UFJ銀行
・金融庁 新NISA制度