子供の留学でお金がピンチ。積立投資は休止したほうがいい?
Q. 子供の留学で現預金が減ってしまいました。積立投資は休止したほうがいい?
「積立投資を数年前からやっていますが、予定外の子供の留学で手持ちの現預金が減ってしまいました。ある程度現預金が貯まるまで、積立投資は休止したほうがいいでしょうか?」(41歳・会社役員女性)A. 家計の見直しをしてから積立投資の継続を検討しましょう
近年、留学費用も円安の影響で以前より割高になってきました。それでも子供の希望を叶えて留学させることはお子様の将来にとっても、とても素晴らしいことですね。半面、多額の支出を伴うため、相談者のように家計状況が不安定になってしまうこともあるでしょう。そのような時に、現金を確保することで、投資リスクから一時的に逃れることができますが、その代わりに将来のリターンも失う可能性があります。
積立投資を続けるかどうかを決める前に、まずは家計を見直し、そのうえで積立投資を休止するかを考えていきましょう。
以下は、考慮すべきポイントです。
- 家計状況の把握
- 問題点を確認する
- 解決策を見つけ行動に移す
- リスク許容度を確認し、資産形成プランを見直す
1. 家計状況の把握
まずは、現状を把握するために家計状況と今後必要になるお金を確認しましょう。<手順>
(1)収入と支出、資産と負債を書き出す
(2)ライフイベント表で、いつごろ、どのくらいの費用がかかりそうか確認する
>>便利ツールで家計をチェック | 日本FP協会(jafp.or.jp)
2. 問題点を確認する
家計状況を把握できたら、次に以下のような問題点がないかを確認します。(1)収入を増やせる可能性はないか?
(2)支出に無駄はないか?
(3)緊急予備資金(生活費の半年分程度)は現預金で確保できているか?
(4)貯蓄に回せるお金はないか?
(5)これまでの資産運用の状況はどうか?
(6)金利の高い借金をしていないか?
3. 解決策を見つけ行動に移す
問題点を見つけたら、それに対してどのような対策がとれるかを考えてみましょう。(1)収入を増やせる可能性はないか?
→副業や、パートから正社員になる等。
(2)支出に無駄はないか?
→まずはスマホ代や光熱費の契約プラン、保険料、習い事、サブスクなどの固定費から見直し、次に食費や日用品費、交際費等の変動費を見直しましょう。
(3)緊急予備資金(生活費の半年分程度)は現預金で確保できているか?
→少なくとも緊急予備資金は現預金で確保したいので、不足する場合は緊急予備資金の確保を優先させるために、積立投資を一時休止させ現預金での貯蓄に切り替えることを検討しましょう。
(4)貯蓄に回せるお金はないか?
→先取貯蓄の額を増やすことを検討しましょう。先取貯蓄とは、収入が入った直後に一定額を貯蓄用の口座に移す方法です。生活費や他の支出に使う前に貯蓄ができるメリットがあります。
(5)これまでの資産運用の状況はどうか?
→運用成績が良ければ、増えた分だけを売却し現金に換えるのもいいでしょう。
(6)金利の高い借金をしていないか?
→リボ払いやカードローン等の金利の高い借金は優先的に繰上げ返済等で返済することも大切です。
4. リスク許容度を確認し、資産形成プランを見直す
家計を見直したうえで、リスク許容度を確認しましょう。緊急予備資金(生活費の半年分)が不足する場合は、積立投資は一時休止させ現預金での貯蓄を増やすことが優先されます。その後、緊急予備資金が確保できたら、少額から積立投資を再開させるといいでしょう。
家計を見直すことで、積立投資の継続が可能だと判断できた場合でも、毎月の貯蓄と積立投資の比率は貯蓄のほうを多めにし、リスクの高い株式メインの投資信託ではなく、比較的リスクの低い債券メインの投資信託に変更することで、家計を安定させることができます。
資産形成は、現預金と積立投資をその時の状況に応じてバランスよく組み合わせることが大切です。継続的な資産形成のためにも、定期的に家計を点検し、資産形成プランの見直しを行っていきましょう。
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