西山動物園といえば「入場料が無料」ですが、昨今の物価高の影響もあり、動物園の運営も大変かもしれません。「そんなこと、筆者が考えるのも、聞くのも僭越(せんえつ)な話」なのですが、心配になったので聞いてみることにしました。 さらに、西山動物園と言えば、レッサーパンダが大人気です。また2023年8月に生まれたフランソワルトン(サルの一種)のオスの赤ちゃんも注目されています。両方あわせて、鯖江市西山動物園の飼育担当の村山さんに教えてもらいました。
西山動物園のお金、支えるのは熱烈ファン
――西山動物園は、「入場料が無料」とのことですが、動物たちをきめ細やかに飼育するには、お金がかかります。動物園の経営を支える方法で何か講じていることはあるのでしょうか。村山さん:入場料が無料だと、気軽に動物園に立ち寄れるという点で良いことだと思います。西山動物園は、西山公園内にあるので、地元の方が、散策ついでに立ち寄る憩いの場になっています。
レッサーパンダファンの中には「入場料が無料だと推しのレッサーパンダのために何かお金を使ってあげたいのに、使うところがない……」と、言ってくださる方もいます。
西山動物園のレッサーパンダを大事に思ってくださるのがありがたいです。そう言ってくださる方のため、西山動物園の入り口に「募金箱」が設置してあります。ありがたいことに、熱心なファンの方のみならず、多数の来場者の方々も募金してくださっています。 さらに、最近はしていませんが、2015(平成27)年からクラウドファンディングで1回あたり、50万~100万円の資金を4回にわたり募ったことがあります。設定額100万円で行ったところ、240万円と予想はるかに超える資金が集まった時もあります。
その資金で、レッサーパンダの出産用の巣箱に設置するカメラを設置したり、施設を修繕したりすることができました。熱烈なファンの方々が、ミンファやモッチー、ティアラなどのそれぞれにお気に入りのレッサーパンダのためなら!という熱意で、資金をご提供くださったのだと思い感謝しております。今のところは、資金を募る予定はありませんが、今後何かあれば、皆様にご協力をいただくことがあるかもしれません。
西山動物園の新しい仲間「フランソワルトンの赤ちゃん」をよろしく!
――フランソワルトンの赤ちゃんは金色で、親と見た目が全然違いますね。村山さん:フランソワルトンは、オナガザルの仲間で、中国やベトナムで生息する動物です。全身が黒く、頭の毛が逆立っています。ほほの毛が白いひげのように見えるのが特徴です。生まれて約半年はオレンジ色の毛に包まれていて、見た目が大きく違います。
生後3か月ごろから、下半身から徐々に黒色になり始め、半年すると大人と同じ黒い毛になります。オレンジ色はフランソワルトンの「庇護欲(ひごよく)」をそそる色らしく、群れで子どもを育てるフランソワルトンの本能を刺激するようです。
西山動物園では、赤ちゃんの家族は、お父さん、お母さん、お姉ちゃんの4匹です。昨年生まれたお姉ちゃんは、赤ちゃんのお育てを手伝って、将来お母さんになる練習をしています。
また、赤ちゃん家族の隣の部屋には、赤ちゃんと血縁があるお姉ちゃんたちの群れ(3頭)も住んでいます。
まとめ
秋も深まり、寒くなる季節は、レッサーパンダが活動的になる時期。元気に動き回る姿が見られます。まずは、西山公園の散策を兼ねて、動物園に立ち寄ってみてはどうでしょう。鯖江市西山動物園の情報
・所在地:福井県鯖江市桜町3丁目8-9・開園時間:午前9時~午後16時30分
・入園料:無料
・休園日:毎週月曜日 月曜日が祝日の時はその翌日
参照:鯖江市西山動物園
また、西山動物園の公式Facebookでは、日々のレッサーパンダの様子も配信されています。