「レッサーパンダの実家(ホームタウン)」で知られている西山動物園では14匹のレッサーパンダたちが飼育されています。どの子も個性があり、愛らしい仕草で、来園者を迎えてくれます。
レッサーパンダは、見た目のかわいさが際立つ動物ですが、どんな個性があるのでしょうか?
それぞれの特徴について、鯖江市西山動物園の飼育担当の村山さんが詳しくお話してくださいました。
食いしん坊でおねだり上手な「かんた」
2018年7月生まれの5歳。秋田市大森山動物園で生まれ、2022年11月に西山動物園にやってきました。千葉市動物公園の立ち上がるレッサーパンダで有名な「風太」と血縁関係です。いつも悠々としていますが、食いしん坊でおねだりも上手です。そのため、餌の時間が近くなると、扉の前で飼育員が来るのを待っています。キリっとしたイケメン顔の「たいよう」
2013年6月生まれの10歳。池田動物園で生まれ、2015年2月に西山動物園にやってきました。人懐っこい性格です。キリっとしたイケメン顔は、優しい顔つきの多いレッサーパンダの中で、際立つ存在です。人懐こい性格で「たいよう君!」と声掛けすると、近くに寄ってきてくれることもあります。食いしん坊で、飼育員さんが餌を持っているのを見つけると、よじ登っておねだりします。控えめな様子が魅力の「キラリ」
2011年6月生まれの12歳。2013年2月に、姫路セントラルパークから来園しました。ライト(オス)・ひかり(メス)・モッチー(オス)のお母さんで、カイト(オス)・かえで(メス)のおばあちゃんです。若々しくかわいらしい顔立ちは、子ども、孫をたくさん持つおばあちゃんには見えません。
とても控えめな様子が来園した人々の目を引き「キラリが好き」という人は多いです。
星空にちなんだ名前を持つ双子「ライト(オス)」・「ひかり(メス)」
ともに2013年7月に西山動物園で生まれた10歳の双子。母親はキラリ。キラリの光り輝くイメージの名前を引き継ぎ、星空にちなんだ名前が付けられました。
ライトの見た目は「焦げパン」という異名を持つほどの黒い毛並みが特徴です。ひかりは、現在、非公開ですが、シュッとした顔立ちの穏やかな女の子です。
小顔で足長のモデル体型の「かのこ」
2016年6月生まれの7歳。2019年3月に、多摩動物公園からやってきました。かのこは、小顔で足長のモデル体型。あどけない顔立ちも特徴的です。レッサーパンダはどれも似た印象がありますが、かのこは「推し」でなくとも、一目で見分けられます。
慎重派の「カイト(オス)」、人懐きのよい「かえで(メス)」
ともに、2022年6月に西山動物園で生まれた1歳の双子。お父さんはライト、お母さんはかのこです。2頭の顔はそっくりですが、その性格は真逆です。カイトは警戒心が強く慎重派ですが、俊敏な動きをするので、運動能力は「かえで」よりも高いような気がします。かえでは、人好き。運動場にあるぶら下がるための木で前回りをしている姿が人気です。見分けるときは、人懐こく近寄ってきたら「かえで」。物陰からそっと様子をうかがっているいるようだったら「カイト」と思っておけばよいでしょう。現在、かえでの「物怖じせず人に愛嬌を振りまく姿を見たい!」という人が急増しています。
村山さんが語るレッサーパンダの魅力「足の裏を見て!」
「肉球マニア」と自称する村山さんは動物の肉球のぷにぷにした感触、見た目が大好き。残念ながらレッサーパンダの足の裏にビッシリと毛が生えているため、肉球は退化していて小さくなってるそうです。しかし、この毛が密集した足の裏は、毛の色・生え方に個体差があり、よく見ると肉球と同じくらい「かわいい!」そうです。ちなみに、村山さんのおすすめは「ミンファ」と「かえで」の足の裏だそうです!
もともとレッサーパンダは、インド北東部、中華人民共和国(四川省西部)、ネパール、ブータン、ミャンマー北部など、寒い地域に生息している動物です。
雪の上を歩いても体温を奪われない、凍った場所で滑らないように足の裏が進化したそうです。たとえるなら、毛は靴の役割を果たしているとのこと。また、レッサーパンダは、「蹠行(しょこう)」といって、足の裏全体を地に付けて歩行します。四足歩行のレッサーパンダが、立ち上がって歩くことがあるのは、直立時の安定の良さが理由になっているそうです。
レッサーパンダを見に来たときは、「足の裏」にも注目してくださいね。
鯖江市西山動物園の情報
・所在地:福井県鯖江市桜町3丁目8-9・開園時間:午前9時~午後16時30分
・入園料:無料
・休園日:毎週月曜日 月曜日が祝日の時はその翌日
参照:鯖江市西山動物園
また、西山動物園の公式Facebookでは、日々のレッサーパンダの様子も配信されています。