次々と職場の上司を誘惑する“すごい女”
「同期のアヤは、なかなかすごい女なんですよ」そう言うのはエイコさん(39歳)だ。大学を卒業して入社した貿易関係の会社で、アヤさんは先輩を飛び越して中間管理職になった。
「彼女は営業に行きたかったのに配属されたのは総務だった。ところが1年後、望んでいた営業に異動。いくらなんでも新人が1年で動くなんてありえないと社内がざわざわしました」
そしてすぐ、彼女の海外出張が始まった。
「当時、流れていた噂としては、営業一課の部長と専務、それぞれアヤが籠絡した。だから2年目であんなに活躍できるんだというものでした。とはいえ、彼女、本当にデキる女なんですよ。英語とスペイン語、フランス語ができる。子どものころアメリカにいたから英語はともかく、スペイン語もフランス語も大学で身につけたそう。しかも総務にいた1年の間に通関士の資格もとった。社内にも通関士はいるんですが、資格があって困るわけじゃないと彼女は言っていました。最初、会社としては彼女をひとりで出張させることに二の足を踏んでいたんですが、彼女は実は空手の有段者。それもあって自分を出張させろと売り込んでいましたね」
「女を売り物にするなんて」と同僚女性たち
仕事はできる、度胸もある、ゴリ押しもできれば引くこともできる。しかも接待にももってこいの座持ちのよさがあるという。「彼女と同じ営業の先輩男性がびっくりしてましたもん。接待のときには相手企業の重鎮に自分からデュエットを頼み込んだり、ときにはしなだれかかったりするんですって。女を売り物にするなんてと社内の女性からは不評でしたが、結果、取り引きがうまくいくなら上層部は喜びますよね」
アヤさんは誰にでもにこやかだ。エイコさんもアヤさんから嫌な言葉を投げられたことはない。だが、どこか距離を感じていた。アヤさんの心の中にはバリアが張り巡らされていると思っていた。
>男たちへの意外な本音