Q. 金投資は投資である以上、売買前提でいいのでしょうか?
「金投資について2つ質問です。1つ目は、純金信託を数株持っていましたが、昨今の高騰であらかた売ってしまいました。ただ投資商品の分散という意味では、売らない方がよかったのかな?とあとから考えています。金投資は投資である以上、売買前提でいいのでしょうか? また投資信託と現物(純金)では考え方が違ったりするのでしょうか? 2つ目は、金投資をする際、投資信託と現物、どちらがおすすめですか?」(34歳・女性・愛知県)金投資についての疑問
A. 金投資は売買前提でいいと思います
1つずつ、順番に回答していきます。「純金信託を持っていたが、昨今の高騰であらかた売ってしまった。ただ投資商品の分散という意味では、売らない方がよかったのかな?と考えている。金投資は売買前提でいいのか? また投資信託と現物投資では考え方が違うのか?」
筆者は、売買前提でよいと考えています。投資家の中には長期投資を好む人もいますが、世界情勢や景気など、状況によって最適な投資先は変わるものです。
「長く持つこと」を目的にしてしまうと、いざ状況が変わったときに対応できません。売買前提で買ってみて、満足できるうちは保有を続け、乗り換えたくなったときには乗り換えてしまうのでよいと思います。
なお、投資信託と現物で考え方を変える必要もありません。
「2つ目は、金投資をする際、投資信託と現物、どちらがおすすめですか?」
先にも述べたとおり、個々人によって運用スタイルが違うでしょうから、運用スタイルに合わせて、手数料面などの観点から投資信託か現物かを選ぶのがよいでしょう。
筆者であれば、投資信託でも現物でもなく、金ETF(金価格に連動する上場投資信託)を好みます。金ETFの次には、投資信託を選びます。
筆者は「買いたい株が見つからないし、預金金利もひどく低い。でもインフレには備えたい」というような状況に限って、純金を保有したいと感じます。
つまり、筆者が純金を買うのは「一時しのぎ」のためです。何年も長期で買うことはないので、であれば、短期売買に適した金ETFが自分に合っていると感じます。
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日本円などの貨幣は、国が自由に印刷できます。だから、いまは良くても、時間が経つにつれて価値が薄れて「紙くず」になってしまうリスクがあります。
それに対して、純金の埋蔵量には限りがあります。だから、国が自由に印刷できる紙幣が「紙くず」になるリスクと比べると、埋蔵量に限りがある純金が「石ころ」になるリスクの方が低いでしょう。
こういう視点から見ると、純金は「貨幣よりマシ」に思えます。
ここ数年、日本でも物価の上昇が目立ちます。日本の預金金利はひどく低いですから、現金を持っているだけでは危険です。
純金はインフレ対策の選択肢の1つです。本回答が、ご質問者さまのよりよい判断につながれば幸いです。